DX コラム

    2021.04.09

    新規事業や業態転換を支援する事業再構築補助金、4/15から申請受付開始

    中小企業などの新規事業展開や業態転換を支援する「事業再構築補助金」。新型コロナウイルス感染症の影響でデジタルシフトに舵を切る企業の支援策として、2021年4月15日から申請受付を開始します。申請するにはどんな要件を満たさないといけないのか。新規事業展開例としてどんな活用シーンがあるのか。補助金の概要と、補助金を取り巻く企業の動きを整理します。

    申請には3要件をすべて満たすこと

     事業再構築補助金は、中小企業や中堅企業を対象に、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む際の費用の一部を補助する制度です。これらの取り組みを通じた規模の拡大や、思い切った事業再構築なども対象です。

     以下3つの条件を満たすことが必要です。

    ・申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、新型コロナウイルス感染症以前の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
    ・事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと
    ・補助事業終了後、3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人あたり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加を達成すること

     なお、認定経営革新等支援機関とは、中小企業を支援する機関として経済産業大臣が認定した機関です。全国に3万以上あり、金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士などが認定を受けています。中小企業庁のWebサイトで認定経営革新等支援機関を検索できます。

     事業計画は採択を審査する重要資料となるため、合理的で説得力のある計画の策定が求められます。具体的なポイントは、現在の事業内容、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性などです。事業再構築の内容として、提供する製品・サービス、導入する設備、工事なども明記します。さらに、市場の状況や資金調達計画なども盛り込むようにします。

     審査項目には、事業実施体制・財務の妥当性、市場ニーズの検証、課題解決の妥当性、費用対効果、再構築の必要性、イノベーションの貢献、経済成長への貢献などが含まれています。

    3つの「枠」に応じた補助額を設定

     中小企業と中堅企業で補助額は異なります。さらに、中小企業向けに「通常枠」と「卒業枠」の2つがあり、中堅企業向けには「通常枠」と「グローバルV字回復枠」の2つがあります。それぞれの補助額と補助率は以下の通りです。
    企業規模 補助額 補助率
    中小企業
    通常枠
    100万円~6000万円 3分の2
    卒業枠 6000万円超~1億円 3分の2
    中堅企業 通常枠
    100万円~8000万円
    2分の1(4000万円超は3分の1)
    グローバルV字回復枠 8000万円超~1億円 2分の1
     なお「卒業枠」は400社限定です。事業計画期間内に、組織再編、新規設備投資、グローバル展開のいずれかによって資本金か従業員を増やし、中小企業から中堅・大企業へ成長する事業者向けとなります。

     「グローバルV字回復枠」は100社限定です。申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、新型コロナウイルス感染症以前の同3カ月の合計売上高と比較して15%以上減少している、グローバル展開を果たしているなどの要件をすべて満たしていることが条件です。

     もし「卒業枠」と「グローバルV字回復枠」で不採用になった場合、それぞれ「通常枠」で再審査されます。

     これらとは別に「緊急事態宣言特別枠」もあります。これは前述した3つの要件に加え、2021年の緊急事態宣言の影響により、2021年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年か前々年の同月比で30%以上減少していることが条件となります。補助額と補助率は以下の通りです。
    従業員数 補助額 補助率
    5人以下 100万円~500万円 中小企業:4分の3
    中堅企業:3分の2
    6~20人 100万円~1000万円
    21人以上 100万円~1500万円
     「緊急事態宣言特別枠」も「卒業枠」と「グローバルV字回復枠」同様、不採用になった場合には「通常枠」で再審査されます。

    補助対象となる経費とは?

     具体的にどんな費用が補助金の対象となるのか。主な対象例は以下の通りです。

    ・建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復)
    ・機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
    ・技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
    ・外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費
    ・広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
    ・研修費(教育訓練費、講座受講等)

     なお、従業員の人件費、従業員の旅費、不動産、株式、公道を走る車両、パソコンやスマートフォンの購入費、フランチャイズ加盟料、光熱費、通信費などは対象外です。
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