DX コラム

    2021.03.05

    第3回 「システム化」するための「要件」をまとめる。

    前回の振り返り

     前回までに、「システムに業務を合わせていく(利用する)」という考え方をベースにして「新しい業務の要件を満たせるシステムを検討」ところまで実施しました。今回は、実際に要件を整理して、ベンダー選定を行う際の手法について記載していきます。

    要件整理~これまで検討してきた内容を「要件」としてまとめる~

     これまでに、業務フローを作成し、システム化したい課題の整理も行いました。結果として、残った部分が、新しいシステム構築の際の「要件」となります。
     「要件」というのは、システムベンダーに対して、こういう業務をこうやって実行したい。という利用側の要望です。これをしっかりまとめて、システムベンダーに要求を出しておかないと、最終的に思っていたものと違うものが出来てしまいますので、このプロセスは非常に重要なプロセスです。
     このプロセスが曖昧にしてしまうと、この後の「要件定義」のフェーズで絶対に困ります。最悪の場合、プロジェクトが破綻してシステム構築が叶わないという結果に陥ります。そのため、このプロセスは、徹底的にプロジェクトメンバーで会話し、徹底的に利用者の側としての「要件」を詰めていくことをオススメいたします。

    【要件整理のポイント】
     ① 利用者側の総意として実施したいことを具体的にまとめる。
     ② 完成して運用するイメージを出来る限り、徹底的に具体化する。

    ①利用者側の総意として実施したいことを具体的にまとめる。

     ここまで、業務フローを検討し、課題の棚卸しを行ってきました。その中で十分に会話をしてきている、と思われると思いますが、もう一度改めてプロジェクトメンバー全体で構築したいシステムのイメージをすり合わせていくことをオススメいたします。

     この段階では、すべての情報が出揃っている段階だと思います。今までプロジェクトメンバーの頭の中でイメージしていた内容を徹底的に吐き出し、文章として取りまとめていきます。この段階では、業務としてどんなことが出来るようになっているべき、なっていてほしい。という「要件」を一覧化していきます。

    【要件一覧イメージ】
     (576)

     要件一覧では、要件の名称、業務フローのどの部分の要件か、要件の概要について(出来るだけ具体的に)を的確に記載していきます。
     この一覧を作る段階では業務の流れに沿って順番に記載していくことが重要です。当然ですが、そうすることで、抜け漏れを防ぐことが出来ますし、見る側も流れに沿って記載されていることでイメージをしやすくなります。

     一覧の情報では、まだ具体性に欠ける部分がありますので、ポイント②ではより具体的に、イメージ図を描きながらまとめていきます。

    ②完成して運用するイメージを出来る限り、徹底的に具体化する。

     ポイント①で「要件の一覧化」は出来ました。ただ、文章だけではまだまだイメージが擦り合っているとは限りません。プロジェクトメンバー内でもイメージがブレていることは多くあります。その他状態でシステムベンダーと会話しても、プロジェクトメンバーのイメージが合っていないため、それぞれが別々の視点からコメントしてしまいます。

     この状態要件定義フェーズに突入すると、イメージ合わせから必要になり、多くの時間とコストが掛かります。要件定義フェーズでは、システムベンダーも巻き込んでいることが多いですので、掛かるコストは社内プロジェクトメンバーで擦り合わせを行うより、何倍もかかってしまいます。

     では、どうしたらいいのか。私の場合は一覧化した要件に対して1要件ずつ、画面イメージまで作成して、具体的な要件のすり合わせを行います。

    【要件詳細ページイメージ】
     (582)

     上記のように、1要件ずつ画面イメージを作成し、実装する機能や画面の動きについてプロジェクトメンバー内で認識合わせを行います。
     こうすることで、社内プロジェクトメンバーでの認識のズレを正し、プロジェクトとしてゴール、向かうべき方向性が明確化されます。ここまでやるか、やらないかでプロジェクトの成否に大きく関わってきます。絶対に実施すべきプロセスです。

    整理した「要件」を概要検討書としてまとめる

     ここまでに「要件」を一覧化し、1ページごとにイメージ図を作成しながら、詳細を詰めてきました。この一連の作業が完了したら、システムベンダーに対して提出する資料として、「概要検討書」としてまとめていきます。

     「概要検討者」はシステムベンダーに対して「要件」を的確に伝える目的の他に、社内の決裁者に対しての説明資料としての役割も担います。社内で予算化し、実行していくための明確な説明資料として大いに役立ってくれます。

     そのため、面倒ではありますが、概要検討書の作成のための一連のプロセスはシステム化の中でもトップレベルに重要なフェーズです。建物の建設で例えると、基礎工事の部分にあたり、システムのベースを決定する非常に重要なプロセスです。

     次回、特別編として具体的な「概要検討書」の作成手順や、目次等について、「概要検討書」を書き上げることをゴールとして書いていきます。
    是非引き続きご覧いただければと思います。
    島津 将吾(Shogo Shimazu)
    大学にてマーケティング戦略を学び、産学連携PJ等で実際のビジネスでの実践を経験。UNIQLOでのアルバイト経験により小売業の面白さに目覚める。大学卒業後はこれからはデジタルの時代であると考え、ネット小売業の(株)セブン・ネットショッピングに入社。管理業務やカスタマーサポート、マーケティング業務を担当し、その後、オムニチャネルプロジェクトに参画。「omni7」サイト構築に構想段階から関わり、リリースまで担当。2017年8月に(株)デジタルシフトウェーブに転職。現在は、主にデジタルシフトのための業務改革をご支援している。
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