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コラム

2022.02.02

社内の人材育成が、DXを成功に導く

既存のビジネスモデルや業務をぶっ潰す――。こんな人材こそDXを成功へ導きます。経営者は「DX人材がいない」と嘆く前に、過去の成功体験にとらわれず新たなビジネスを描ける人材を育成すべきです。では、新たなビジネスを描ける人材を育てるには、どんなスキルを身に付けさせるべきか。ここではDXを成功に導く手順とともに考察します。なお、本連載はプレジデント社「成功=ヒト×DX」の内容をもとに編集しております。

ヒトの意識を変え、企業風土を変える

 「DXはヒトを正しく変えていけば必ず成功します」

 DXを成功させるポイントを聞かれたとき、筆者はこう答えます。

 では、なぜ「ヒト」にフォーカスするのか。それは「ヒト」の意識や意欲を変えて取り組まなければDXは成功しないからです。

 企業は一般的に、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」を有効活用することでパフォーマンスを最大化します。これはDXにも当てはまります。しかし多くの企業が、新たなシステムを導入したり、ビジネスモデルを構築したりする取り組みにとどまっています。「モノ」や「カネ」を活用するものの、「ヒト」を活用してDXを推進する企業は必ずしも多くありません。

 大事な経営資源の1つである「ヒト」を活用しなければDXは成功しません。そのためには「ヒト」を育成し、パフォーマンスを最大化できるようにする取り組みこそ重要です。ヒトを正しく変えるにはどう育成すべきか。その答えを出すことがDX推進の第一歩です。

 人材育成が進み、皆が経営者と同じ意識、同じ方向に向いたとき、企業は成果を生み出します。さらには、こうした取り組みが企業風土として根付けば、従業員の「当たり前の共有意識」も生まれます。人材育成を通じて企業風土を変える。この一連の取り組みこそがDXを根底で支える重要な基盤となります。

 DXはこうした企業風土を「ゼロ」から構築する取り組みです。そのためにはヒトの意識を変えることが重要です。意識が変わらなければ、いくら努力しても企業風土は変わりません。

DXの成功は「抵抗」を超えた先にある

 筆者はDX(デジタル変革)を成功させるための方程式を掲げています。それが「成功=ヒト×DX」です。この方程式を理解して実行すれば、DXは必ず成功します。

 これは筆者の経験から自信を持って言えることです。筆者はソフトバンク在職中に起業し、7年で200億円企業へと育てました。この中で、何より苦労したのが人材の確保、育成です。

 当時はまだ若く、実力も実績もありませんでした。そんな筆者が人を惹きつけ、育成するのは至難の業でした。しかし、自分にできることを諦めずに続けました。自ら困難に飛び込むことも少なくありませんでした。こうした繰り返しが次第に人を集め、自分の後に続く人材の育成にもつながったのです。

 セブン&アイ・ホールディングスに在職していたときは、事業の立ち上げに務めました。しかし、こうした大企業の既存組織の変革は必ずしも一筋縄ではいきません。過去に大きな成功体験のある組織の変革は、起業するより苦労します。このときの苦労の最たるものも「ヒト」です。

 歴史ある会社の場合、すでに成功体験があり、それが社風になっています。こうした社風のもとで育った社員は、それを「常識」と教えられています。この「常識」が「変わりたくない」という抵抗を生み、変革を目指す時の大きな壁となるのです。筆者はここでも粘り強く新規事業を推進しました。抵抗されることもありましたが、次第に周囲の理解を得られるようになっていったのです。
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