総編集長コラム

2022.06.15

業務の流れと課題を丸裸にする業務フロー図の描き方

業務改革に取り組む上で欠かせない「業務フロー図」。業務の流れを可視化するとともに、業務に潜む課題を洗い出すのに有効です。では、どう描けばいいのか。業務改革を下支えする業務フロー図作成のポイントを紹介します。なお、本連載はプレジデント社「成功=ヒト×DX」の内容をもとに編集しております。

担当者へのヒアリング前に「仮案」の用意を

 業務フロー図の方針とフォーマットを決めたら、各業務の担当者にヒアリングを実施します。ただし、白紙を持って担当者にヒアリングしても意味はありません。まずは業務内容を自分なりに理解し、業務フロー図の仮案を作成すべきです。仮案は想像で構いません。複雑でなくても大丈夫です。一般的な業務の営業や販促などのフローをベースに仮案を作成するとよいでしょう。仮案をもとにヒアリングを実施することで、実際の業務をイメージしやすくなります。

 ヒアリング対象者も、自身の業務イメージと仮案の差異を指摘すればいいため、スムーズにヒアリングに対応できるようになります。

担当者へのヒアリングの進め方

 ヒアリングには2つのコツがあります。

 1つは、他部署や上司・部下の課題などをすべて聞くことです。ヒアリングの目的は、現状の業務における課題をすべて洗い出すことです。大きな課題から小さな課題まで聞き出し、業務フロー図に落とし込むようにします。

 この作業を繰り返すことで、業務フロー図から自社の現状業務と課題をすべて可視化できるようになります。

 もう1つは、相手が話しやすい雰囲気をつくることです。ヒアリング対象者は何を話せばいいのか分からなくなりがちです。こうした迷いを解くには、話しやすい雰囲気づくりに配慮します。

 担当者によっては、話すことで自分の仕事がなくなるのでは、と思ってしまう人もいます。ヒアリングに非協力的な人も少なくありません。そこでヒアリングの目的や業務フロー図を作成するメリットを丁寧に伝えることも大切です。担当者にヒアリングの目的を理解してもらうことで、業務の詳細まで聞き出せるようになります。

 業務フロー図は、現在の業務を整理し、よりよい環境を整備するためのツールです。業務のブラックボックス化を解消するのが作成の狙いです。会社全体の業務を平準化したり、属人化のリスクを排除したりするメリットも見込めます。
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本連載は、プレジデント社刊行の「成功=ヒト×DX」の内容をもとに、筆者が一部編集したものです。
プレジデント社「成功=ヒト×DX」
筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任。
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