寄稿・連載

    2022.03.25

    ワーケーションのハードル下げるプラットフォーム、設備や料金で一般的な宿泊施設との差異化も

    DXで事業を創出、もしくは事業を拡大した企業はどんな点に気を付け、成功へと突き進んだのか。「DXスタートアップ革命 第13回」は、ワーケーション体験を促進するプラットフォームを提供するリゾートワークス。業界の課題にどう切り込み、DXをどう進めていったのか。同社の取り組みを紹介します。なお、本連載は日本経済新聞出版「DXスタートアップ革命」の内容をもとに編集しております。

     ワーケーションを実施したい企業と、宿泊施設を結ぶプラットフォームを提供するのがリゾートワークスです。同社は、リゾート地のハイエンド系宿泊施設を使ったワーケーションを申し込めるプラットフォームを提供します。今後の成長が期待されるワーケーション市場にいち早く着目し、2020年9月に創業。2021年4月時点で100超の宿泊施設を利用可能なプラットフォームへと成長させています。

     プラットフォームを利用する主な顧客は、テレワークと親和性が高く、創造性が求められるIT企業。プラットフォームの会員企業には、提供される宿泊施設を使った長期宿泊サービスを利用できる特典も用意します。

     長期滞在を想定するワーケーションでは一般的に、個人や企業が宿泊先に直接電話して料金交渉したり、オフィス同様の作業環境をホテルなどの宿泊先に準備したりといった手間がかかります。こうした手間を解消できるのがプラットフォームを使う利点です。同社の代表取締役 CEOの高木紀和氏は、「宿泊施設側にワーケーションの顧客を受け入れるための整備を同社が依頼する。Wi-Fi環境やデスク、イスなどの準備、集客するためのプラットフォームなどを提供している」といいます。

     一般的な宿泊料金とは異なる、ワーケーション向けの料金設定にも同社取り組みます。「ワーケーションでは部屋を毎日掃除する必要がないケースが多い。そんな宿泊者向けの料金プランも交渉する。1泊3万円以上するハイエンドリゾートホテルが半額以下で利用できることもある」(高木氏)と、ワーケーションに特化した環境整備に余念がありません。こうした料金は通常のOTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)を使って探しても出てこないとのこと。宿泊施設から手数料を取らない収益モデルを打ち出すことで、OTAとの差異化を図ります。

     今後はプラットフォームのグローバル展開も視野に入れます。「世界に目を向けると、超エグゼクティブはデジタルノマドが少なくない。当社は中長期的に、こうした顧客層向けのサービス展開も考える」(高木氏)といいます。新たなワークスタイル創出と支援体制構築を進める考えです。
    Information
    企業/団体名 株式会社リゾートワークス
    所在地 沖縄県那覇市
    事業内容 リモートワーク導入企業向け福利厚生サービス
    取り組む課題 ワーケーションを実施したい企業が宿泊施設を容易に探せるようにしたい
    解決策 ワーケーションを模索する企業と、平日の稼働率を高めたいリゾートホテルを繋ぐプラットフォームを提供する
    本連載は、日本経済新聞出版刊行の「DXスタートアップ革命」の内容を一部編集したものです。
    日本経済新聞出版「DXスタートアップ革命」(守屋実監修)
     (6563)

    筆者プロフィール
    守屋実
    1992年、ミスミ入社、新規事業開発に従事。2002年、新規事業の専門会社エムアウトをミスミ創業者の田口弘氏と創業、複数事業の立ち上げと売却を実施。2010年、株式会社守屋実事務所を設立。新規事業創出の専門家として活動。ラクスル、ケアプロの立ち上げに参画、副社長を歴任後、ジーンクエスト(ユーグレナグループ)、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会、サウンドファン、ブティックス、SEEDATA(博報堂グループ)、AuB、みらい創造機構、ミーミル(Uzabase グループ)、JCC、テックフィード、キャディ、セルムなど数々の企業の役員、理事などを歴任。JR東日本スタートアップのアドバイザー、JAXA上席プロデューサー、博報堂フェロー、内閣府の有識者委員などを務める。2018年にブティックス、ラクスルを2カ月連続で上場に導く。著書に『新しい一歩を踏み出そう! 』(ダイヤモンド社)。近著は『起業は意志が10 割』(講談社)。
    5 件
    〈 1 / 1 〉

    Related

    寄稿・連載