実践者インタビュー

    2022.07.28

    顧客の変化をリアルタイムに読み取り最適なキャンペーンを展開、Brazeが提唱するカスタマーエンゲージメントの姿とは

    企業の価値ある顧客体験創出を支援するBraze。同社が2022年7月12日に開催した国内初のイベント「FORGE Japan 2022」では、顧客との関係強化を図るカスタマーエンゲージメントプラットフォームの活用事例を紹介したほか、イベント参加者がプラットフォームを体感する機会を提供しました。Brazeが訴求するカスタマーエンゲージメントプラットフォームの強みとは。ここではイベントの様子を一部紹介します。

    顧客と継続的な関係構築を模索せよ

     顧客との中長期的な関係を構築するのに既存のデジタルマーケティングは通用しない。顧客に新たな価値を提供するならBrazeのカスタマーエンゲージメントプラットフォームが不可欠だ――。イベント冒頭、Brazeの菊地真之代表取締役社長は聴衆にこう訴えました。

     Brazeが提供するカスタマーエンゲージメントプラットフォームは、企業のデジタルマーケティングを支援するソリューション。オムニチャネルを前提としたキャンペーン施策の実施や管理、顧客とのつながりを強化するコミュニケーション支援など、リアルタイムデータを駆使して顧客エンゲージメント実現を支援します。

     なぜ、顧客との関係構築に同社のプラットフォームが欠かせないのか。菊地氏は、目先の効果のみ追求する既存のデジタルマーケティングツールとは設計思想が異なる点を指摘します。「PV(ページビュー)やCPA(顧客獲得単価)といったKPIに注視し、ユーザー獲得に主眼を置くマーケティングツールの活用に傾倒する企業は少なくない。メールやSNSを使ってDMを送付し、顧客とつながろうとするマーケティングツールも目立つ。どれも有効なツールだが、これらで成し得る取り組みは企業本来の目的ではない。企業は顧客と継続的に関係を構築する取り組みにこそ目を向けるべきだ」(菊地氏)と提起します。こうした関係構築を模索し、顧客と真の信頼関係を築くことに特化しているのが同社のカスタマーエンゲージメントプラットフォームだと強調します。
    写真:カスタマーエンゲージメント向上の取り組みの重要性...

    写真:カスタマーエンゲージメント向上の取り組みの重要性を訴求し続けたBraze 代表取締役社長 菊地真之氏

     とりわけ、中長期的な関係構築に必要なのが「パーソナライズ」と「リアルタイム」だと菊地氏は続けます。顧客一人ひとりの関心に寄り添った体験を提供できるようにするとともに、秒単位で変化する顧客の心を読み取ることが大事だと訴えます。「DMを一方的に送っても顧客とのつががりを必ずしも維持できない。顧客を徹底的に理解し、一人ひとりに合った内容を届けることが何より重要だ。そのためには双方向型のコミュニケーション施策の重要性が増す」(菊地氏)と指摘します。さらに、「消費者の心の変化を読み取れないということはない。多数のチャネルを駆使し、消費行動を探ることで変化に追随できる。消費者の心の変化に応じた施策を展開し続けるには、リアルタイムに取得するデータ活用がカギを握る」(菊地氏)と、リアルタイムデータの必要性も強調します。こうした機能を備え、取り組みを包括的にサポートできるのがカスタマーエンゲージメントプラットフォームの強みだと菊地氏は訴えます。

     菊地氏は最後に、「当社は日本に進出して1年半だが、国内ユーザー数はすでに40社を超える。Brazeが訴求し続けてきたメッセージに多くの企業が共感した結果だ。企業は顧客との関係をどう構築するか。その答えは、多数の実績を持つBrazeこそ持ち合わせている」とまとめました。

    DXの本質を捉え変革せよ

     オープニングセッションでは、菊地氏に続きデジタルシフトウェーブ 代表取締役社長の鈴木康弘氏が登壇。カスタマーエンゲージメントの取り組む上で外せないDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進の必要性を訴えました。

     鈴木氏は迷走する国内DXの現状を危惧します。「企業のDXの取り組み状況をまとめた調査結果を見ると、多くの企業がDXに取り組んでいることが分かる。しかし中には、DXとデジタル化の違いが分からないと多くの人が答えた調査結果もある。DXを正しく理解せずに取り組んでいることが何より問題だ」(鈴木氏)と述べます。
    写真:オープニングセッションに登壇したデジタルシフトウ...

    写真:オープニングセッションに登壇したデジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏(写真左)と、Brazeの菊地代表取締役社長

     さらにDXに取り組むものの、道半ばでプロジェクトが暗礁に乗り上げてしまうケースも少なくないと言います。こうした企業には共通するのが次の5つだと指摘します。
    1.経営者は掛け声ばかりで、戦略も不明確でまったく進まない
    2.専任部門を設置しても、ノウハウ不足で停滞
    3.マーケ部門が盛り上がるが、ネット販促・分析をしているばかり
    4.システム部門に任せても、システムツール導入が増えるばかり
    5.大手コンサル・SIに丸投げで、社内はしらけて自然消滅

     鈴木氏は暗礁に乗り上げる理由を、「DXを自分事として考えず、他人任せにしているのが問題だ。その結果、DXの本質である『企業変革』がまったく進まない」と現状分析します。

     ではDXをゴールへ導くためにはどんなアプローチが必要か。鈴木氏は続けて、成功するための5つのアプローチも提示します。
    1.経営者が意識を変え決意する
    2.デジタル推進体制を構築する
    3.未来を想像し業務を改革する
    4.自社でITをコントロールする
    5.変革を定着させ加速させる

     例えば経営者の意識を変えるには、「時代の変化を強く認識することが欠かせない。さらには人任せにせず、率先垂範で行動すべきだ。経営者の諦めないという心を持ち続けることも大切だ」(鈴木氏)と訴えます。不退転の決意を示し、権限をフル活用して全社を巻き込むべきだと強調します。

     業務改革にも言及します。「DXで目指すべきは業務改革であって業務改善ではない。過去の延長線上の思考にとどまる業務改善は、部門や個人といった狭義の取り組みに過ぎない。自社の未来をどう描くのか。そのための業務はどうあるべきか。DXで新たな未来を想像し、その想像を業務改革で実現すべきだ」(鈴木氏)と続けました。

     鈴木氏は「変革」の必要性を終始指摘し続けました。「単なるデジタル化にとどまれば企業は衰退しかねない。大切なのは過去の成功体験をも捨て去る『変革』だ。これまでとは異なる道を歩まなければ変革は成し得ないし、成長も見込めない。DXに真剣に向き合って取り組んでほしい」(鈴木氏)と訴えました。

    パーソナライズを前提とした施策を展開する事例を多数紹介

     イベントでは、Brazeのカスタマーエンゲージメントプラットフォームを活用する事例も多数紹介されました。中でも注目を集めたのがメルカリUSです。同社では、ユーザーの行動に基づき、アプリやWebなどのチャネルを横断したキャンペーンを実施。ユーザー一人ひとりに応じたキャンペーンを展開できるようにすることで顧客エンゲージメント向上に取り組みます。登壇したメルカリ US CRM テクニカルディレクターの現王園浩士氏は、自社の取り組みを例示しながらプラットフォームの活用法を紹介しました。

     現王園氏は冒頭、CRMのミッションを「顧客一人ひとりに合わせ、最適なタイミングで最適なメッセージを届けること」と定義。カスタマーエンゲージメント最大化を目指すべきと強調しました。

     もっとも同社もBrazeのプラットフォーム導入前はミッションを十分達成できずにいたと言います。自社システムを使い、すべての顧客に同じ内容のメッセージを送付していました。プッシュ通知やメールといったコミュニケーションに関わるA/Bテストを実施するにもエンジニアに依頼していたため、工数や時間がかかっていました。誰に何を送付したのか、結果はどうだったのかといったパフォーマンスも計測できず、何が有効なのか分からないまま次の施策を実施していたと言います。

     これら課題を解消すべく同社は4年前、すべてのチャネルを統合したCRM基盤としてBrazeのプラットフォームを導入しました。チャネルを問わず顧客とのコミュニケーション履歴を集約し、行動を深く分析できる基盤として活用することを目指します。

     プラットフォームを使い、利用者のアクションに応じたキャンペーン展開に取り組みます。例えばメルカリ利用者が商品をカートに入れたらリマインドする、商品購入後に商品に関連するレコメンドを送付するといった具合に、アクションをトリガーにしたキャンペーンを展開します。アクションごとのキャンペーンをプラットフォームから展開できるようにするほか、アクション別のキャンペーン数を増やし、キャンペーンごとの効果も計測します。「ユーザーの属性や行動に関するデータを集約、分析することで、顧客をより細かくセグメントできる。メルカリのユーザーには新規利用者もいればサービスから離脱しそうな人もいる。商品の売りたい人と買いたい人でもアクションは異なる。細分化したアクションをリアルタイムに把握し、ユーザーに対して最適なキャンペーンを実施する。顧客との関係構築には、パーソナライズを前提とした緻密な戦略が欠かせない」(現王園氏)と訴えました。

     なおイベントではUSメルカリのほかに、日本ケンタッキー・フライド・チキンやサンドラッグの担当者も登壇。Brazeのプラットフォームを活用し、アプリでCXをどう向上させるのか、グローバル化を見据えたオムニチャネル戦略どう進めていくのかといったセッションも実施しました。

    イベント参加者がプラットフォームを実際に体感

     イベンでは、参加者がBrazeのカスタマーエンゲージメントプラットフォームを体感するセッションもありました。ハンバーガーチェーンの米バーガーキングが実際に展開したキャンペーンを模倣し、イベント会場内にいる人に対しハンバーガーのクーポンをリアルタイムに発行するといった仮想キャンペーンを実施しました。

     イベント参加者はスマートフォンにBrazeの専用アプリを事前にインストールし、会場内に設置するビーコン端末に近付くことでクーポンを受け取れます。実際にイベント会場前の広場にはハンバーガーを提供する移動販売車が出店。多くの参加者がクーポンと引き換えにハンバーガーを受け取っていました。
    写真:イベント会場前にはハンバーガーの移動販売車が出店...

    写真:イベント会場前にはハンバーガーの移動販売車が出店。参加者はリアルタイムにクーポンを発行するBrazeのカスタマーエンゲージメントプラットフォームを実際に体感

     参加者にアプリの使い方やキャンペーン施策の仕組みを解説したBraze グロースエンジニアの吉永敦氏は、「当社が提唱するリアルタイムマーケティングがいかに顧客に響くか。自ら体感して汲み取ってほしい。キャンペーンで顧客の心をつかむには、利便性はもとよりどれだけ楽しめるかに配慮すべきだ。そんなキャンペーンをBrazeのプラットフォームを使って創出してほしい」と参加者に訴えました。

    Braze
    https://www.braze.co.jp/
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