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インタビュー

2021.06.28

後発だからこそ磨き上げた通信特性が強み、海上のIoT化まで見据える「ELTRES」の実力

IoTの導入が広がるにつれ、データをやり取りする通信規格技術に注目が集まりつつあります。5GやWi-Fi、さらにはLoRaWANやsigfoxといったLPWAが乱立する中、後発で参入したのがソニーの「ELTRES」です。IoT向け通信規格として市場投入した狙いと、他にはない強み、主な利用シーンについてソニーネットワークコミュニケーションズのIoT事業本部  営業推進部 部長 鈴木説男氏に聞きました。

エッジの効いた通信特性が最大の武器

 5G、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBee…。IoT環境を構築する際に使われる通信規格にはさまざまな種類があります。どの通信規格を使うのかはそれぞれの特性を理解し、状況に応じた通信規格を選択することが求められます。とはいえ、IoTの用途が多様化する中、既存の通信規格では必ずしも状況に適さない。そんなケースが増えつつあります。そこで近年関心を集めているのが、IoT用途に特化した低消費電力、かつ長距離伝送が可能な通信規格技術「LPWA(Low Power Wide Area)」です。

 LPWAは、IoTデバイスの消費電力を低く抑えることで電池が長持ちする、データの通信距離を長距離化することで基地局設置コストを下げられるなどのメリットを見込めるIoT向け通信規格技術です。すでに「LoRaWAN」や「sigfox」「ZETA」「NB-IoT」などのさまざまな種類が登場し、海外では広域な範囲をモニタリングしたり、スマートシティを支える各種サービスを提供したりする通信インフラとして導入が進んでいます。

 そんな中、新たな特徴を持つLPWAとして2019年9月に登場したのが、ソニーネットワークコミュニケーションズの「ELTRES IoTネットワークサービス」です。後発ながら市場投入した経緯について、同社のIoT事業本部 営業推進部 部長の鈴木説男氏は、「IoT導入を検討する顧客の中には、『機能はシンプルでもつながる通信がほしい』『遠隔地でもつながる通信がほしい』など、既存のLPWAに満足しない声が少なくない。そこで、ソニーの強みであるAV技術を応用し、安定性を担保しつつ通信距離で他のLPWAに引けを取らない通信規格技術を開発した」と言います。ソニーならではの“エッジの効いた”通信規格技術として、後発ならではの強みを全面に打ち出します。
ソニーネットワークコミュニケーションズ IoT事業本部...

ソニーネットワークコミュニケーションズ IoT事業本部 営業推進部 部長 鈴木説男氏

 最大の特徴は、「他LPWAの追随を許さない通信距離」(鈴木氏)と強調します。一般的なLPWAの通信距離は10メートルから数十キロメートルであるのに対し、ELTRESは遮蔽物などがない条件なら100キロメートル以上の長距離伝送が可能です。実証実験では、富士山山頂と和歌山県・那智勝浦町間の321キロメートルをデータ伝送した実績もあり、IoT環境構築時には基地局の設置数を大幅に減らせるメリットを見込めます。
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