日立製作所は2021年3月9日、自動で文字を認識する「帳票認識サービス」とシステム開発を支援する「BRMS InnoRulesソリューション」を導入しました。財務部門の出納業務向けに、2021年4月から利用を開始します。
「帳票認識サービス」はAI-OCRエンジンを搭載。定型・非定型帳票や、活字、手書き文字、二次元コードなどを認識します。約4800種類の請求書と約200種類の社内申請書を読み取ることができます。文字などの読み取り位置を指定したテンプレートを使い分けることで、「消費税額」「課税対象額」「口座名義人名」などを自動的に読み取れます。
また、独自アルゴリズムにより、AI-OCRの読み取り結果が正しいかどうかを「確信度」として数値化します。誤認識の可能性の高いデータを洗い出せることから、全件を目視で確認する財務担当者の手間を解消できます。
「BRMS InnoRulesソリューション」はBusiness Rule Management System(BRMS)の開発基盤。業務関連の規則を業務アプリケーションと切り離して定義、管理します。フローチャートや表形式などのさまざまなテンプレートを備え、複雑な業務ロジックをノンコーディングで実装できるのが特徴です。社内規定の改定で業務ロジックの変更が必要になったときでも、システム改修を迅速に進めることができます。
同社では今回、BRMS InnoRulesソリューションを使い、財務担当者が社内規定に沿って判断してきた複雑な業務ロジックを財務システムに実装しました。これにより、読み取った請求書と申請書の自動照合を可能にします。
同社はこれらを活用することで、年間25万件の帳票の読み取りや照合にかけていた作業時間1万4500時間を7400時間に短縮できると見込んでいます。