開発の経緯は、眉を描くのがメイクの中でもっとも多くの人が難しいと感じているから。眉は、長さ、太さ、角度などの形状、毛の密度やその長さ、左右のバランスといった個人差が大きくなります。そのため、一般的な眉メイク情報を自分に合わせて応用するのが難しく、似合う眉や描き方が分かりにくいという問題があります。
そこで同社の化粧品事業部門ビューティリサーチ&クリエーションセンターは、メイクアップアーティストの監修のもと、眉の状態に合わせて個々に合うアドバイスを提供できるソフトウエアを開発。美容部員が、ソフトウエアをコーチングツールとして活用し、自動測定に基づくアドバイスとは違った角度から満足度の高いサービスを提供できるようにしました。眉メイク提案が非接触でも可能になるメリットも見込みます。

図1:ソフトウエアの利用イメージ
ソフトウエアでは撮影した顧客の顔画像を使い、適切な眉の描き方などをアドバイスします。テンプレートを調整して理想の眉の形を探すことが可能です。顔画像を撮影すると、デバイス上に眉テンプレートを自動表示します。長さ、太さ、角度などの形をきめ細かく調整でき、画像を確認しながら印象の違いを把握し、好みの眉の形を見つけることができます。

図2:眉の向きや形などを自在に調整可能
アイブロウアイテムの特徴を再現し、仕上がりのイメージを繊細に伝えられるのも特徴です。ペンシル、リキッド、パウダー、マスカラといったアイブロウアイテムを再現し、タッチペンひとつでアイテムや色を使い分け、描き方をアドバイスできます。顧客は、自身の顔に実際に眉メイクしたかのように、仕上がりイメージの違いまで繊細に感じ取ることが可能です。画像上で、描く・消す・調整するなどが自在のため、何度もシミュレーションできるのもメリットです。

図3:アイブロウアイテムを使い分け、繊細にイメージを再現
まずは2021年10月中旬より、伊勢丹新宿店にソフトウエアを導入します。順次一部店舗にて活用を広げる予定です。店頭での利用に加え、同社主催のセミナーでも活用を予定します。