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2021.12.15

東京ドームが観戦体験を徹底追及、デジタル駆使して過去最大規模のリニューアル

読売新聞グループ本社、読売巨人軍、東京ドーム、三井不動産の4社は2021年12月13日、東京ドームにおいて、過去最大規模のリニューアルを実施すると発表しました。具体的には、これまでの約4.4倍の面積となるメインビジョンの新設や、入場ゲートおよびコンコースのデザイン刷新、多様な観戦スタイルに対応した新たな観客席の設置などが含まれます。それに加え、完全キャッシュレス化や、顔認証技術の導入などのDXも行います。東京ドームへのすべての来場者に「新しい観戦体験」を提供できるよう取り組むとのことです。2022年3月のオープン戦からの稼働開始を予定しています。

 今回の取り組みとして、以下の7点が紹介されています。

1. 超大型メインビジョンおよび外野フェンス上部リボンビジョンの新設
2. 入場ゲートおよび場内コンコースのデザイン刷新とデジタルサイネージの導入
3. 観客席の新設、増設およびプレミアムラウンジのフルリニューアル
4. スイートエリアを「THE SUITE TOKYO」としてフルリニューアル
5. 場内の完全キャッシュレス化と顔認証技術の本格導入
6. 演出アトラクションや場内各種サービスなどの刷新(今後、順次発表を予定)
7. 「世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアム」を目指す取り組みの継続

 以下にそれぞれの概要を説明します。

1. 超大型メインビジョンおよび外野フェンス上部リボンビジョンを新設し、迫力ある映像の演出
 新設されるメインビジョンは、単体の面積として、発表によれば国内スタジアムで最大規模となる、フルカラーLEDメインビジョンです。横幅が約125.6m、面積は約1,050㎡となり、従来のメインビジョン(約238㎡)と比較して面積は約4.4倍に拡大されます。また、画質(画素の細かさ)の面でも高度化され、高精細映像を使った迫力ある映像演出が期待できます。
図1:メインビジョンイメージ図(正面)/提供:竹中工務店

図1:メインビジョンイメージ図(正面)/提供:竹中工務店

*本リリース内のすべての完成予想図は計画段階の図面を基に描き起こしたもので、施工上の都合等により変更となる場合があります。

 メインビジョンとともに導入される送出制御システムでは、以下が可能になります。

・音楽や照明と連動した映像や静止画の演出表現
・アニメーションなどの動きを交えた各種の特殊効果
・外野フェンス上部リボンビジョン(後述)や場内コンコースのデジタルサイネージと連携したコンテンツ発信

 なお、当初は、2021年シーズンオフ・2022年シーズンオフの2期に分けた改修を計画していましたが、工事期間を短縮するとのことです。

 メインビジョンの概要は、以下の表の通りです。
スクリーンサイズ (右翼から左翼に伸びる上段横長部分)横:約125.6m×縦:約7.5m
(中央下段部分)横:約20m×縦:約5.4m
合計面積約1,050㎡
画素ピッチ 10mm発光方式:SMD方式
解像度 (右翼から左翼に伸びる上段横長部分)12,560pix×750pix
(中央下段部分)2,000pix×540pix
 上記のメインビジョンに加え、ライト側とレフト側の外野フェンスそれぞれに、フルカラーLEDの映像送出装置(リボンビジョン)を設置します。これは、東京ドームとして初めてのことです。

 リボンビジョンは、両翼ポール傍から右中間・左中間に向かって外野フェンス上端に帯状に取り付けられます。横幅は2面合計で約107mに達します。約4mの外野フェンス高に対して、上部約3分の1にあたる1.28mがリボンビジョンとなります。鮮やかな色彩で映し出した演出映像を、メインビジョンと連動して送出することが可能です。そして、より臨場感の高まる観戦体験効果を期待できます。

 外野フェンス上部リボンビジョンの概要は、以下の表の通りです。
スクリーンサイズ(片側) 横53.76m×縦1.28m、面積68.813㎡
画素ピッチ 10mm
発光方式 SMD方式
解像度 5,376pix×128pix
図2:メインビジョンとリボンビジョンの全体イメージ図/...

図2:メインビジョンとリボンビジョンの全体イメージ図/提供:竹中工務店

 また、東京ドーム場内のLED照明器具、約650台を、DMX(DMX512)連動によって制御するシステムも導入します。DMXとは、照明器具の調光などの制御を行うための通信規格です。これに連動したシステムを構築することで、メインビジョンの映像や音響と連動させた、照明パターンの再生が可能となります。それにより、躍動感ある球場内の演出が可能になります。

 DMX連動によるLED照明制御システムの概要は、以下の表の通りです。
DMX(DMX512) DMX512は、512チャンネルのデジタル信号を送受信することができる通信規格です。DMX連動では、照明器具1台1台を個別に制御できます。そのため、場内のLED照明器具をさまざまなパターンで点灯、調光することが可能となります。
2. 入場ゲートおよび場内コンコースのデザイン刷新とデジタルサイネージの導入
 入場ゲート、および場内コンコースのデザインを刷新しデジタルサイネージを導入します。それにより、各入場ゲートから観客席に到着するまで、ジャイアンツの世界に没入する効果を期待できます。全ゲートを新たなデザインに変更します。また、コンコースには、LEDディスプレイや、デジタルサイネージを設置します。快適で洗練された空間を目指します。

 場内コンコースにおけるLEDディスプレイ、デジタルサイネージの概要は、以下の表の通りです。
場内コンコースなどに約260台のデジタルサイネージを導入 座席から離れていても、これまで以上に多くのエリアで試合映像や演出映像を観覧できるようになります。また、試合展開に合わせて、場内サイネージを特定の演出映像で一斉表示するといった送出制御も可能です。そのため、球場全体の一体感をより高める企画も可能になります。
内野22ゲートと外野25ゲートのエントランスに大型LEDディスプレイを設置 東京ドームのメインゲートである22ゲートでは、大型LEDディスプレイ3面(横6.5m×縦3mが1面と、横5m×縦3mが2面)に加えて、16本の天井LEDディスプレイを設置します。ジャイアンツファンの専用ゲートである25ゲートでは、横9m×縦2.5mの大型ディスプレイでさまざまなジャイアンツコンテンツを表現します。
図3:22ゲート内エントランス イメージ図

図3:22ゲート内エントランス イメージ図

 今回のリニューアルでは、各入場ゲートのデザインも一新します。中でも25ゲートは、ジャイアンツファンの観戦客がライトスタンドへと入場するゲートです。そこで、ジャイアンツカラーを施し、中央にプライマリーマークを装飾して、象徴的なゲートへと刷新します。
*その他のゲートのデザインは後日詳細を発表予定。

 なお、内コンコースおよび各ゲートなどのデザイン監修は、三井デザインテックが実施します。
図4:25ゲート外観 イメージ図

図4:25ゲート外観 イメージ図

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