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2021.12.17

デンマーク発のデザイン思考フレームワークを使った教育プログラム、メンバーズが大学向けに提供

デジタルマーケティング事業を展開するメンバーズは2021年12月9日、課題解決型学習(PBL)教育プログラムの提供を開始したことを発表しました。目的は、持続可能な社会を創出する担い手となる人材育成と輩出です。PBL(Project-Based Learning)型講座とは、ESG(教育・社会・ガバナンス)先進国であるデンマーク発の未来創造型デザイン思考を用いた、産学連携による教育プログラムです。同社は今回、同プログラムの提供を開始し、導入可能な大学の募集を全国で開始します。

 新型コロナウイルスの感染拡大や、地球温暖化による気候変動など、不確実で変化の激しい現代は、「VUCA」(ブーカ)時代と呼ばれます。VUCAとは、Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確かさ)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(あいまいさ)の4つの単語の頭文字です。

 その現代において、それらの問題に対応する思考や、スキル・実行力は、必要不可欠な能力です。したがって、社会課題解決や、持続可能な社会の実現をリードする人材の育成と輩出は、社会全体の課題といえます。

 また、メンバーズでは2020年より「VISION2030(2030年の目指す姿)」を目標として、その実現に向けた戦略を策定しています。そのVISION2030で掲げる、「ビジネスを通じて社会課題解決を推進/実行する10万人のクリエイター輩出」を目指しています。

 それらの実現には、以下のような要素が欠かせません。

・理想的な未来を起点として物事や社会を捉え、課題解決をデザインするための思考法
・その思考法を実行するためのスキル活用ができる人材「Futures Designer(フューチャーズデザイナー)」の育成・輩出

 これらを背景として同社では、大学を始めとした教育機関を対象に、PBL型講座/教育プログラムの提供を開始します。そして、導入可能な大学を全国より募集開始します。目的は以下のようなものです。

・学生に対する、社会課題を基点とした未来創造プロセスの立案と実行を仕事にすることへの興味喚起
・社会課題解決と持続可能なビジネス成長を実現する人材育成

 同プログラムでは、プログラムを通じて学生自身が、社会課題を基点とした未来創造プロセスを体感できます。自ら社会の課題を見つけ出し、課題解決のためのアクションを体験することになります。それをもとに、将来への意欲を高め、持続可能な未来の社会の担い手になり得る人材の育成につなげていきます。

 プログラムの内容や目的、期間、形式、人数など詳細については、現状の課題や要望をヒアリングした上で実施概要を確定します。なお、同プログラムは全行程をオンラインで実施します。エリアや状況に応じて、全国規模での提供が可能です。

 同プログラムの概要は、以下の表の通りです。
開催期間 1~6カ月間
講義数 3~16コマ
形式 オンライン/対面型/ハイブリッド型
受講人数 1講座あたり20~100人
アジェンダイメージ ・講義:オリエンテーション
・講義:ビジネス/社会課題の現状について
・演習:課題探索/未来洞察/アイデア創出 グループワーク
・演習:フィールドワーク/リサーチ
・演習:プレゼンテーション作成/実施/フィードバック
・演習:リフレクション/自身のアクションプラン策定
※テーマについては、各校の要望に合わせて「キャリアデザイン」「地域デザイン」「ビジネスデザイン」など柔軟に設定可能
 同プログラムで育成目的としているFutures Designerの人材は、「Futures Design(フューチャーズデザイン)」の考え方によるものです。Futures Designとは、デンマークのデザイン会社でメンバーズの技術顧問でもあるBespoke(ビスポーク)が独自に開発した課題解決手法です。

 Futures Designは、従来の課題解決型の思考や行動とは異なり、戦略的な未来洞察とデザイン思考をベースとしています。その最大の特徴として、以下のようなことが挙げられています。

・あらゆる領域の知見が交差する場に身を置き、
・アクションを通じて「現在」が持つ新たな意味を見つけ出し、
・そこから理想的な未来を生み出していく
・未来創造型のデザイン思考であること

 Bespokeでは、このFutures Designの手法を活用して、より良い未来を創造・共創していく仲間をFutures Designerと呼びます。そして、ビジネスを通じて社会課題解決を推進/実行する10万人のクリエイター育成・輩出の主要施策として位置付けています。

 同プログラムでは、未来創造型のデザイン思考であるFutures Designのフレームワークを用います。そこでは、設定した社会課題やテーマに対し、以下の4つのフェーズに区分して実施します。

・Situate(立ち位置を決める)
・Search(探索する)
・Sense(感知する)
・Scale(踏み出す)

 学生が自ら現在の社会から本質的な課題を見つけ出し、理想的な未来像を描き、そして現在と理想的な未来像を近づけるために必要なアクションを導き出していきます。

 各フェーズの概要は、以下の表の通りです。
Futures Designフレームワーク フェーズ1:Situate(立ち位置を決める)
実施概要 詳細
社会洞察 設定された社会課題やテーマに対して、現代社会の中で相関性、因果関係があると思う事象や出来事をマッピングし、社会課題やテーマに対する多角的な理解を深め、社会や環境などへの影響を俯瞰的に捉えます。
課題考察 現代社会におけるさまざまな事象や出来事の中から、5つの思考法を用いて考察を行い、設定された社会課題の発生要因や背景、本質的な課題の所在を導き出し、課題に対する仮説を立てます。
課題/仮説を定める 導き出された課題に対する仮説に基づいて、自分たちの課題意識がどの分野にあるかを明らかにしていきます。課題解決のために深めていきたい、興味関心の強い分野やテーマを定めていきます。
Futures Designフレームワーク フェーズ2:Search(探索する)
実施概要 詳細
リサーチを行う 課題仮説や選択したテーマと関連性があると思われる、現在社会で起きている事象や出来事について、デスクトップリサーチやフィールドワークによりリサーチを行っていきます。
インサイト抽出/可能性探索 リサーチした内容と内容同士のつながりの中から未来に対する変化の兆し(インサイト)を抽出し、課題仮説や選択したテーマに関連する未来の可能性を探索します。
インサイトに基づく未来像を可視化する 得られたインサイトや未来の可能性をもとに、起こり得る未来像についてのインスピレーションシートを作成し可視化していきます。
Futures Designフレームワーク フェーズ3:Sense(感知する)
実施概要 詳細
可能性からの望ましい未来を可視化する 今後起こり得るさまざまな未来像の中から、自分たちにとって望ましいと思える未来像を見出し可視化します。
望ましい未来へのシナリオを描く 望ましいと思える未来像を実現していくための現代から未来までのシナリオをバックキャスティング、フォアキャスティングの両面から考え、描いていきます。
シナリオにおけるアイデアを考える 望ましい未来を実現する上で対峙すべき課題やテーマを決め、課題やテーマに対するアプローチ方法を検討し、アイデアの素案(コンセプトシート)を作成します。
Futures Designフレームワーク フェーズ4:Scale(踏み出す)
実施概要 詳細
アイデアを具体化する 自分たちが定義した望ましい未来を実現するために、アイデアの素案(コンセプトシート)を具体的し、プレゼンテーション資料、ペーパープロトタイプアウトプットを作成してきます。
アイデアを共創する 作成したアウトプット群の中から、共通点と差異点、拡張性や発展性についてポジティブな文脈からさらなる可能性を参加者全員で考えていきます。
未来のための自分の行動を考える 取り組んだ内容やアイデアをアイデアで終わらせないために、グループ、個々人それぞれでリフレクションの時間を設け、望ましい未来の実現のための短期・中長期の目標を設定しその行動計画を立てていきます。
 同講座/プログラムで得られる主な経験や、習得できるスキルとして、以下が挙げられています。

・現代社会における社会課題発見能力の養成ならびに実践
・クリティカルシンキング、問題解決、意思決定などの思考能力養成ならびに実践
・自ら課題を発見しプランニングする計画スキルと実行能力
・グループワークによるコラボレーションスキル
・ビジネスで重要視されている課題解決能力の養成ならびに実践

 同プログラムの講師は以下の表の通りです。
株式会社メンバーズ ビジネスプラットフォームカンパニー
ソーシャルクリエイターデベロップメント室
高見沢 直樹

2008年メンバーズ入社。CSVコンサルティング専門子会社エンゲージメントファースト取締役を経て、2021年4月より現職。未来創造型デザインプロセスに基づくコミュニケーション戦略立案、UXリサーチ等の各種調査・分析、プロダクト開発支援等を主な活動領域とする。
 同プログラムの実施事例として、神田外語大学の例が挙げられています。神田外語大学(千葉市美浜区)のキャリア教育部と連携し、2021年8月~9月にかけて、計4回にわたるオンラインインターンシッププログラム「ビジネスキャリアデザイン」を開講しました。

 また、Futures Designを用いた教育プログラム提供の取り組みとして、以下が挙げられています。
CSVインターンシップ 「Futures Design」を用いて、より良い未来と社会を描く未来創造型のフレームワークを体感し、実際にビジネスを通じて社会課題解決に取り組む企業(共創パートナー企業)とともに、持続可能な社会に向けた「これからのビジネスのあり方」について考えるインターンシッププログラムです。
CSVビジネスアイデアコンテスト CSVビジネスアイデアコンテストは、将来を担う学生が社会課題の解決に意識を向け、持続可能な社会の担い手となり、日本を代表する大手企業との共創によって、新たなCSV事業やプロモーションを創出し、持続可能な社会を実現することを目的として毎年開催しています。
Practica(プラクティカ) 地域共創をテーマとし社会課題に向き合い、これからも「生きたい」と思える未来を創る学生による学生のための学びの場です。
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