水産養殖や、水域インフラの点検分野において、水中での作業支援が可能な「水中ドローン」の需要が高まっています。しかし一方で、従来の水中ドローンでは、点検場所まで船を出す必要がありました。モバイル通信で自律飛行するドローンが、水中ドローンを搭載して、水中での測位や、遠隔操作、映像伝送を可能とする「水空合体ドローン」の開発は、発表日現在で世界初とのことです(KDDI総合研究所調べ)。

図1:「水空合体ドローン」機体利用イメージ
「水空合体ドローン」機体には、以下のような特徴があります。
・空中ドローン (親機) に水中ドローン (子機) を搭載した合体型のドローン
・スマートドローンプラットフォームを活用したタブレットでのドローン遠隔操作で、飛行、着水、分離、潜航、浮上、回収、帰還といった一連の動作を制御
・水中の子機の位置をKDDI総合研究所独自の音響計測技術で正確に測定
・水中子機からの映像をリアルタイムで操作者へ伝送

図2:「水空合体ドローン」機体
同機体は、スマートドローンプラットフォームを活用しています。スマートドローンは、KDDIの携帯通信ネットワークに対応したドローンです。また、同プラットフォームは、モバイル通信による自律飛行、および遠隔監視制御を可能にします。それにより、船を出すことなく、点検場所までドローンが自律飛行し、着水後に水中ドローンを分離して、遠隔で水中の点検ができます。

図3:水面への着水の様子

図4:親機から分離した子機が潜行する様子
各社はそれぞれ、以下の役割を担います。
・KDDI:スマートドローンプラットフォームを提供
・KDDI総合研究所:開発全体統括、音響測位部分の開発
・プロドローン:水空合体ドローンの開発
3社は今後、2021年度中に各用途に応じた実証を行って、2022年度の商用化に向け開発を行っていきます。