クニエが実施した本調査は、データマネタイゼーション事業経験者の事例をもとに、データマネタイゼーション事業の状況把握および事業化・収益化の実績と成功・失敗の要因を探り、示唆を得るのが目的。回答者6万9551人のうち、データマネタイゼーション事業立ち上げ経験・関与度などを考慮し抽出した300人に聞いた結果をまとめています。
なお、ここで言う「データマネタイゼーション」とは、既存事業などから取得したデータの活用方法のうち、新たな収益源の創出を目的としたものを対象としています。具体的には、既存事業で取得した販売実績データなどを販売する「データ販売」、データをもとにしたレポート販売やコンサルティングサービスなどを提供する「データを活用した新規サービス」が該当します。
回答者6万9551人に、データ活用経験を聞いた結果が図2です。
「データ活用に取り組んだ経験あり(既存業務の高度化/効率化)」と答えた割合は10.8%であるのに対し、「データ活用に取り組んだ経験あり(データマネタイゼーション)」と答えた割合は3.9%にとどまります。
データマネタイゼーション事業を経験した人に対し、事業化や収益化したかを聞いた結果が図3です。
データマネタイゼーション事業の経験者の立ち上げ経験者1979人に対し、ビジネスステイタスを確認したところ、事業化できたケースは35%、収益化まで達成したケースは15%にとどまりました。
調査を実施したクニエは、調査結果と同社のコンサルティング実績から、データマネタイゼーションの取り組みについて以下を提言しています。
1. データマネタイゼーションは、新規事業として取り組むことが重要
・データを軸とする前提ではあるが、新規事業を創造するプロセスで推進する必要がある
・データ分析人材だけでなく、新規事業を推進できる人材の存在も必要である
2. 安易なユースケースに飛びつかず、マネタイズの可能性を見極めることが重要
・ニーズや課題の想像のしやすさから、接点がある顧客や既存ビジネスの下流に位置するプレイヤーをターゲットとしてしまいがちだが、必ずしも収益化成功率が高まるわけではない
・提供サービスとして、業務の省力化/自動化や予測/フォーキャスト等はイメージしやすいが、収益化成功率は高くない
クニエは今後も本調査で得られた示唆や、これまでのコンサルティングで得た知見・ノウハウを生かし、企業のデータマネタイゼーション事業の取り組みを支援していく考えです。