NTTグループの「街づくりDTC」とは、街全体で最適化される新たなUX(User eXperience:顧客体験)を具現化する技術です。具体的には、街で提供されるサービス単位で環境・モノ・人をとらえます。そして、DT(Digital Twin:デジタルツイン)と、それらを分野横断で連鎖させる、DTC(Digital Twin Computing:デジタルツインコンピューティング)の実現を目指します。
なお、DTは、現実の物理空間のデータを活用し、そのままそっくりのデータを、デジタル空間で「デジタルツイン」として環境再現する方法です。
今回の「パーソナライズサービス(おもてなし)」実証実験では、「街づくりDTC」を通じて、以下のような価値の提供を目指します。
・「活き活きと暮らす、働く」
・「ワクワクする体験ができる」
・「一人ひとりが幸せに感じる」
そのために、NTTの研究技術を活用して以下のようなサービスを実施します。
・人の嗜好/傾向/状態を推定
・最適な行動の提案(レコメンド)
・行動を先回りして環境(空調や移動手段)を最適な状態に整えておく
そして、一人ひとりの体験最適化(パーソナライズ)を実現可能にしていきます。

図1:パーソラナライズサービス(おもてなし)で実現したいイメージ
第一弾のサービスとして、以下の「ランチレコメンド」サービスを実証します。
① 利用者のプライバシー、個人情報保護に最大限配慮しながら、お気に入り店舗などの嗜好、オフィス・街区における行動履歴、注文情報、健康等の情報を集める
② NTTの研究技術の活用により、一人ひとりの嗜好の分析、行動予測、最適な行動を導き出す
③ 一人ひとりのその時の状況と、飲食店の混雑度も加味した「ランチレコメンド」を最適化された状態で利用可能にして、そのたびに一人ひとりへの理解を深め、より最適化された顧客体験を提供する

図2:飲食店レコメンドアプリイメージ
同サービスのイメージは、一人ひとりの嗜好を分析し、少し先の未来を予測、先回りして一人ひとりに合ったフォローやレコメンドをしてくれるようなサービスです。「ヒトが意識しなくても、最適な”コト”を提供し、新しい行動を提案する、パーソナライズサービス(おもてなし)」を実現できるようにします。そして、さまざまな価値を連鎖していくことで、利用者が喜べるような街づくりを目指します。

図3:パーソラナライズサービス実証イメージ
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期間 |
2021年9月~ |
場所 |
NTTグループが保有する品川エリアのオフィス施設など |
内容 |
NTTグループの行動予測、嗜好分析技術を活用したパーソナライズ実証実験 |
参加企業 |
NTTアーバンソリューションズ、NTTデータ |
協力企業 |
NTT、NTT都市開発 |
プライバシー保護 |
本実証実験は、AI・データの利用に関する契約ガイドライン(経産省)に基づき実施し、個人の特定につながる情報は取得いたしません。今後プライバシーに関する情報を取得した実証を実施する場合には、利用者の許諾、活用範囲の明示等、一人ひとりが安心してサービスを受けられるよう最大限配慮してまいります。 |
なお、各社の役割として以下が挙げられています。
・NTTアーバンソリューションズ:NTTグループが保有するビルアセットやプロジェクトにおけるサービス企画、ユースケース検討や検証
・NTTデータ:「SocietyOS」を活用してのシステム構築、サービス提供および結果検証
・NTT:NTTスマートデータサイエンスセンタにおける、予測技術開発と街づくりDTC基盤に資するアルゴリズム開発
・NTT都市開発:実証フィールドにおける実証サービス提供のための各種調整、環境整備などの準備
「SocietyOS」は、NTTデータやNTTグループが保持する技術やノウハウを結集し、各種クラウドサービスと組み合わせることで、地域・都市の特性に応じた、生活者視点で価値あるスマートシティを目指す取り組みです。
「街づくりDTC」では今後、実証実験を通じて得られた知見を踏まえ、継続的な検討・検証を行っていきます。そして、社会と街づくりに貢献する多様なサービスの展開について検討していきます。
NTTおよびNTT アーバンソリューションズ、NTTデータ、その他NTTグループ各社は、街づくりDTCに向けた実証実験など、さまざまな取り組みを行っていきます。2022年2月に竣工予定のアーバンネット名古屋ネクスタビルなど、新しいフィールドも活用して、より一人ひとりにとって暮らしやすい街づくりに貢献していきます。