「知っているが、説明できるほどではない」がもっとも多く、約半数の49.4%を占めます。「知っており、他の人に説明できる」と答えた経営者は20.4%にとどまります。「聞いたことはあるが、よく知らない」(21.9%)と「知らない」(8.2%)を合わせると、30.1%の経営者がDXを十分理解していないことが分かります。
調査を実施したフォーバルGDXリサーチ研究所は、昨今、デジタル庁の発足やDX投資促進税制の導入などDX化への動きが国全体で加速するものの、中小企業はDXについての理解が不十分で、有効的な施策を実行するのは困難な状況であると推察しています。
DXの取り組み状況と、取り組みレベルを聞いた結果が図2です(※DXの取り組みレベルを3ステップに分割したのが図3)。
DXに「取り組めている」と答えた経営者は50.8%で、「取り組めていない」(49.1%)をわずかに上回りました。
では取り組んでいる企業のDXとはどのレベルか。もっとも多かったのが「ステップ1:意識改革(DXに向けたデジタル化の推進)」で60.6%を占めました。「ステップ3:事業改革(事業戦略の再構築・新規事業創出)」に取り組む経営者はわずか8.6%にとどまります。
DXの取り組みレベルを引き上げるために足りないと思うことは何かを聞いた結果が図4です。
「経営陣のリスキリング」が52.9%でもっとも多く、「従業員のリスキリング」(52.0%)、「DX推進のための人材確保・採用」(43.5%)が続きます。人材の確保やスキルアップを課題と捉える経営者が多いことが分かります。
フォーバルGDXリサーチ研究所は、中小企業は社員が少なくITに精通した人材も少なく、経営陣、従業員とも1からリスキリングする必要があると考察します。「DX化」と一口に言っても、「自社の何が課題か」「どのようなIT手段があるか」が分からないと企業全体のDX化は難しいと指摘。そのためまずは、リスキリングでDX化の進め方を学ぶ必要があると分析します。