パーソルホールディングスは2022年6月7日、ITツール導入・活用の調査結果を発表しました。大企業から中小企業までの約1000人を対象に、コロナ前後やテレワークの実施状況などをまとめています。
自社ではどんなITツールを導入しているか。その結果が図1です。
もとも多いのは「Web会議システム」(56.2%)でした。「勤怠・労務管理システム」と「給与計算システム」が51.9%で続きます。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大以降に導入したものには、「Web会議システム」「勤怠・労務管理システム」「チャットコミュニケーションツール」などがあります。テレワークを想定したITツールが上位を占めます。
今度、導入を検討するITツールを聞いた結果が図2です。
企業規模を問わない全体では「AI・IoTシステム」がもっとも多く、10.8%を占めています。「電子サイン・電子契約システム」(10.6%)、「RPA(業務自動化)」(10.0%)が続きます。もっとも、「あてはまるものはない」が50.9%を占め、今後の導入予定はない企業が半数を超えています。
企業規模別でもっとも多いのは、中小企業では「人事評価・タレントマネジメントシステム」、大手・中堅企業では「電子サイン・電子契約システム」、超大手企業では「CRM・SFA・MAツール」となっています。
ITツールを導入したきっかけを聞いた結果が図3です。
「生産性向上のため」が38.5%でもっとも多く、「デジタル化・DX推進」(30.9%)、「働き方改革」(30.5%)が続きます。DXを目的にITツールを導入するケースは3割を占めています。
では、ITツールを導入する際の課題は何か。その結果が図4です。
「既存システムからの移管が難しい」が25.6%でもっとも多く、「従業員が使いこなせるかわからない」(25.5%)、「セキュリティリスクの懸念がある」(23.9%)が続きます。企業規模別に見ると、超大手企業は「セキュリティリスクの懸念がある」、大手・中堅企業は「既存システムからの移管が難しい」、中小企業は「従業員が使いこなせるかわからない」がトップでした。
企業規模別に、ITツール導入の予算についても聞いています(図5)。
企業規模別の平均予算は、中小企業が約911万円、大手・中堅企業が約2259万円、超大手企業が約4088万円でした。中小企業の予算は新型コロナウイルス感染症の拡大以降、右肩下がりです。大手・中堅企業はコロナ禍で一時減少したものの、直近1年でコロナ以前を上回る結果となっています。超大手企業は直近1年で回復傾向が見られます。
ITツールを導入したことで生産性は向上したのか。その結果が図6です。
「向上した」が56.5%と半数を超えています。「とても向上した」(8.6%)を合わせると6割以上の企業が生産性向上を実感していることが分かります。「低下した」「とても低下した」を合わせた割合は3.3%にとどまります。
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