「3Dマニュアル」とは、ユーザー画面上に映されたカメラ映像に、3Dで再現した作業対象機器や操作手順を重ねて表示するマニュアルを指します。WorkLinkは、AR活用の3Dマニュアルを用いた直感的な作業支援と、遠隔地からの有識者による作業支援を同時に利用できる作業支援プラットフォームで、以下のような特徴があります。
・3Dマニュアルを用いた作業および作業前トレーニング
AR技術によって、作業対象機器に3Dアニメーションによる作業手順を重ね合わせた「3Dマニュアル」を表示します。作業者の単独作業時でも、作業箇所や作業内容を直感的に理解できます。また、実際に作業対象機器がない場所でも、3Dモデルによる臨場感のあるトレーニングが可能です。
・3Dマニュアルを用いた遠隔作業支援
現場作業者と、遠隔地の有識者のリアルタイム通信で、音声と映像だけでなく3Dマニュアルを併用できます。また、実際の作業対象機器に対し、AR技術によって矢印などの指示イメージを重ねて表示するARアノテーションを用いることで、より直感的な作業指示や、作業履歴の記録なども可能です。

図1:「WorkLink」サービスイメージ
今回、NTTデータはWorkLinkの販売とともに、以下のサービスを提供開始しました。
・3Dマニュアル作成支援サービス
ユーザー企業が保有する製品マニュアルやメンテナンス手順書をもとに、WorkLink用3Dマニュアルを作成します。3D CADデータがなくても、作業対象機器スキャンによる3Dマニュアルへの取り込みや、3Dアニメーションによる作業手順の追加実装などを実施し、それにより3Dマニュアルの高品質化を支援します。また、同社のLITRON(文書読解AIソリューション)およびRPA(Robotic Process Automation)ツール「UiPath」との連携により、利用中のマニュアルからテキストデータおよび知識を自動抽出し、大量の3Dマニュアル作成時間を低減できます。
・インテグレーションサービス
WorkLinkと他システムを連携させて、円滑な現場作業や管理を支援します。例えば、ITシステム運用やフィールド作業などで発生する各種情報・業務を管理できる、ITサービス管理プラットフォームの「ServiceNow」と連携させた場合、割り当てられた現場作業のタスクに応じて、WorkLink内の適切な3Dマニュアルを呼び出したり、WorkLinkに記録された作業者や、作業に要した時間などのデータをServiceNowに蓄積して分析まで行うことができます。

図2:3Dマニュアル作成支援とインテグレーションサービス提供イメージ
サービスのユースケース例として、以下が挙げられています。
・ 製造業における製造工程およびメンテナンス作業
・ 製造業における自社製品マニュアルの3D化
・ 電気・ガス・水道などのユーティリティ業の保守点検作業
・ その他の流通業などの現場作業
NTTデータは今後、同プラットフォームを、製造業やユーティリティ業、流通業など、現場での作業が必要となる各分野へ販売していきます。また、コンピュータビジョン連携による現場での故障自動判定など、さらなる付加価値の提供に向けて開発を進めていきます。