中小企業個人情報セキュリティー推進協会は2022年7月27日、DXに関する実態調査結果を発表しました。DX推進に成功している企業の経営者314人に、成功要因や課題、人材育成の必要性、DX人材の想定報酬額などを聞いています。
DXに取り組むきっかけを聞いた結果が図1です。
via www.sp2.or.jp
「新型コロナウイルス感染拡大により、リモート対応が余儀なくされたから」が37.3%でもっとも多く、「国を中心として、社会的にDX推進が叫ばれだしたから」(33.8%)、「消費者のライフスタイルが変化したから」(21.3%)が続いています。なお、「その他」と答えた経営者の中には、「もともとDXを推進していた」「業務の効率化をはかるため」「海外市場で商売をするためには不可欠」「DXを推進する立場の会社である」「環境やコスト的にも導入のハードルが下がった」「紙のドキュメントが邪魔だから」といった回答がありました。
では、DXを成功に導くことができた要因をどう考えているのか。その結果が図2です。
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結果は、「経営陣がデジタルに関する知見や流れを理解している」がもっとも多く32.5%を占めました。「ペーパーレスを推奨するようになった」(31.8%)や「IT投資の予算が増えた」(24.2%)といった回答も上位を占めています。経営陣の理解がDX成功にに寄与していることが窺えます。
なお、自由回答には次の成功要因も挙がっていました。
・補助金を受けたことでSaaSの導入コストを大幅に下げることが出来たから。
・世の中の流れから前向きに取り組む事ができた。
・目標意識の周知、徹底。
・導入コスト低下に伴い、新たな設備を積極的に整備できた。
・専任部署の設置。
・社内の全社員の考え方が一致したから。
・社員のITリテラシーが高いので。 DXを進める際の障壁を聞いた結果が図3です。
・補助金を受けたことでSaaSの導入コストを大幅に下げることが出来たから。
・世の中の流れから前向きに取り組む事ができた。
・目標意識の周知、徹底。
・導入コスト低下に伴い、新たな設備を積極的に整備できた。
・専任部署の設置。
・社内の全社員の考え方が一致したから。
・社員のITリテラシーが高いので。 DXを進める際の障壁を聞いた結果が図3です。
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「特にない/わからない」が36.6%でもっとも多くなりました。2位には「投資するための予算確保が少ない」(25.8%)、3位には「自社内のDX推進人材がいない、もしくは不足している」(21.7%)が入りました。
ほかにはどんなことが障壁になったのか。自由回答には次の回答もありました。
・取引先ごとの対応。
・新しいことに対応する、学習することに対応出来ない人材が多い。
・各部署間の連携。
・基幹システムとの連携。
・知識の集約が難しかった。
・法律上押印が必要な書類が多いこと。
・従業員の意識改革。
・ITリテラシーの低さ。 DXにさらに進める際に取り組みたいことを聞いた結果が図4です。
・取引先ごとの対応。
・新しいことに対応する、学習することに対応出来ない人材が多い。
・各部署間の連携。
・基幹システムとの連携。
・知識の集約が難しかった。
・法律上押印が必要な書類が多いこと。
・従業員の意識改革。
・ITリテラシーの低さ。 DXにさらに進める際に取り組みたいことを聞いた結果が図4です。
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結果は、「IT投資にかかる予算の増加」が36.3%でもっとも多くなりました。「社内におけるDX人材の育成」(29.6%)、「多様な働き方の実現」(24.8%)という回答が続きます。
DXを進める上でDX人材の確保・育成は重要だと思うか。その結果が図5です。
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結果は、「非常にそう思う」が42.3%で、「ややそう思う」(39.8%)を合わせると8割近い経営者が重要だと認識していることが分かります。
ではなぜ重要だと思うのか。前問で「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた人に理由を聞いた結果が図6です。
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「DXを継続的に推進していくため」が34.5%を占めます。2位には「社内にDX推進人材がいない、もしくは不足しているため」(32.6%)、3位には「自社内の組織や体制をDX化の観点から強化する必要があるため」(29.5%)が入りました。
DX人材の確保・育成をどう進めていくのか。具体的な施策について聞いた結果が図7です。
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もっとも多かったのは「社員にITやDXを学ぶ教育環境を整える」で59.7%を占めます。「社外・コンサルタント等からアドバイスが受けられる関係づくりをする」が2位で34.1%、「ITやDX推進ができる人材を新規採用する」が3位で24.0%でした。
ITやDX推進ができる人材の年収はいくらくらいが相場だと考えているのか。その結果が図8です。
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一番多かったのが「1000万円台」で29.0%でした。2位は「1300万円以上」で27.5%、3位は800万円台」で12.9%でした。
IT・DXコンサルタントの協力を得る場合、報酬は月額いくらくらいと考えているのか。その結果が図9です。
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「70万円以上」がもっとも多く34.0%を占めます。「50万円程度」(20.5%)、「30万円程度」(12.5%)が続きます。
なお、ここで言う社外コンサルタントの想定条件は、中小企業を対象に、IT知識およびDX推進にかかわる業務分析ができ、DX推進のための計画立案とPDCAと、経営陣に改善提案と報告ができる人材。年間契約にて、月1回以上の訪問コンサルと随時指導を想定します。
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