近年、企業のマーケティングや事業戦略においては、顧客目線でのCX(カスタマー・エクスペリエンス)設計の重要性が、顧客満足度を向上させるために必要とされています。しかし、CX設計においては、「多様な接点でのあらゆるニーズに応えるために大量のパターンの制作物や情報収集が必要となりコスト・工数が増加すること」や、「その表現が効果的なのか事前に分からない」ことが大きな課題となっているといいます。
「CXAI」(シーエックスエーアイ)は、電通グループがこれまで数年にわたり開発・自社運用してきた、以下に挙げるような「クリエイティブ分析・自動生成ツール」で活用されている15種類以上のAIから、企業ニーズに応じた機能を組み合わせて、オリジナルAIツールとして提供するものです。
・AIコピーライター「AICO」:AIによるコピー生成システム
・バナー広告自動生成&効果予測ツール「ADVANCED CREATIVE MAKER」
・チャットボット「Kiku-Hana」:日本語AIの自然対話サービス
・流行予測ツール「TREND SENSOR」:キーワード予測システム
・動画広告効果予測ツール「MONALISA」:広告の効果を配信前に予測
・AI VTuber「タミ子」
CXAIにより、企業はAIをアルゴリズムから開発することなく、企業活動におけるさまざまな制作物の表現開発を、自動・半自動化することが可能になります。またCXAIで使われるAIは、これまで電通グループが制作してきたクリエイティブ表現とその効果(クリエイターのノウハウ)を学習してきているということで、よりクオリティの高い制作物を期待できます。

図1:CXAIのサービス概要
CXAIの導入効果として、以下の項目が挙げられています。
1. 国内電通グループのクリエイティブノウハウを生かしたAIにより、制作物のクオリティ向上を期待できる
2. 多パターン制作や、パーソナライズにより、マーケティング効果や精度の向上が可能
3. 自動化・ツール化により、生産性の向上とコスト削減が期待でき、ノウハウを形式化することで人材流動性にも貢献可能
4. 既存のAIを組み合わせるため、類似の生成システムをゼロから開発するよりも構築・運用のコストが低減可能

図2:CXAIの導入例
ISIDは、2020年2月にAIの専門人材と知見・ノウハウを集約した組織として「AIトランスフォーメーションセンター」を設定しました。また、2021年1月にはUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイン領域の専門人材と知見・ノウハウを集約した組織として、「UXデザインセンター」を設置しています。このUXデザインセンターが中心となってUX・UI設計で同サービスに協力するほか、AIトランスフォーメーションセンターで開発しているAIによる画像生成技術もCXAIへ提供します。