リクルートマネジメントソリューションズは2022年5月27日、「人・組織課題解決の支援ニーズに関する調査」の結果を発表しました。「人材獲得」や「中堅・若手・次世代リーダー育成」などの課題が浮き彫りとなりました。
企業における「人と組織」の課題とその解決についての重要性が増しています。リクルートマネジメントソリューションズでは、企業における経営・人事課題の解決や、事業・戦略の推進を支援する事業を展開しています。同社によれば、企業内の人事機能は、下の図のように描くことができるといいます。
こうした人事機能の分担や連携の在り方は、人事部門や社外専門家の側からはよく議論されています。では、「事業現場の責任者」の側はどのような実態でしょうか。
同社は今回、事業責任者の課題認識や、連携・支援ニーズに関心を向けた調査を実施しました。調査の概要は、以下の図の通りです。
調査結果の概要として、以下のような項目が挙げられています。
【人・組織の課題認識と支援ニーズ】
●現場の課題は「人材獲得」「ミドルマネジメントの過重負担」「中堅・若手・次世代リーダー育成」
●要変革局面では「社内人事の支援」、成長局面では「社外専門家の支援へのニーズ」が求められる 【支援ニーズのある人材マネジメント施策】
●社内人事には「中途採用」「要員計画」への支援、社外専門家には「能力開発」「中途採用」「メンタルヘルス対策」への支援ニーズが見られる
●成長局面では「異動・配置への社内人事支援ニーズ」と「能力開発への社外専門家支援ニーズ」が、要変革局面では「能力開発や次世代リーダー育成」に支援ニーズが見られた 【人事に求める専門性】
●人事に求める専門性は、「自社の戦略・ビジネス」「従業員個々人の情報」「人事制度の設計や運用」への精通 以下に、それぞれの調査の内容と結果を説明します。 【人・組織の課題認識と支援ニーズ】
調査はまず、以下の3項目に分けられました。 ・「課題認識」:人・組織の課題認識
・「人事支援ニーズ」:人事スタッフ・人事部門からの積極的な関与がほしいもの
・「社外専門家支援ニーズ」:社外専門家の知見提供や支援がほしいもの 上記のそれぞれについて、担当事業領域の事業局面ごとに以下の3群に分類し、集計が行われました(図3)。 ・「成長重視局面」
・「効率重視局面」
・「要変革局面」
●現場の課題は「人材獲得」「ミドルマネジメントの過重負担」「中堅・若手・次世代リーダー育成」
●要変革局面では「社内人事の支援」、成長局面では「社外専門家の支援へのニーズ」が求められる 【支援ニーズのある人材マネジメント施策】
●社内人事には「中途採用」「要員計画」への支援、社外専門家には「能力開発」「中途採用」「メンタルヘルス対策」への支援ニーズが見られる
●成長局面では「異動・配置への社内人事支援ニーズ」と「能力開発への社外専門家支援ニーズ」が、要変革局面では「能力開発や次世代リーダー育成」に支援ニーズが見られた 【人事に求める専門性】
●人事に求める専門性は、「自社の戦略・ビジネス」「従業員個々人の情報」「人事制度の設計や運用」への精通 以下に、それぞれの調査の内容と結果を説明します。 【人・組織の課題認識と支援ニーズ】
調査はまず、以下の3項目に分けられました。 ・「課題認識」:人・組織の課題認識
・「人事支援ニーズ」:人事スタッフ・人事部門からの積極的な関与がほしいもの
・「社外専門家支援ニーズ」:社外専門家の知見提供や支援がほしいもの 上記のそれぞれについて、担当事業領域の事業局面ごとに以下の3群に分類し、集計が行われました(図3)。 ・「成長重視局面」
・「効率重視局面」
・「要変革局面」
まず、現場の「課題認識」としては、以下のような結果となりました。
・いずれの事業局面においても、「人材獲得・育成の課題」において選択率が高い。
・要変革局面では、「優秀な人材が流出している/難しい仕事に挑戦する人が少ない/メンバーの自発的な活動が少ない」など、「優秀人材・自律人材の活躍の課題」に特徴が見られる。 また、「人事支援ニーズ/社外専門家支援ニーズ」についても、おおむね課題認識の高さと連動していました。ここで成長重視局面と要変革局面の特徴の違いについて見てみると、以下のようなことが分かりました。 ・「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている/次世代の事業経営を担う人材が育っていない」といった課題解決の支援ニーズに関して、要変革局面では「自社人事の支援」のみを選択する傾向があるのに比べ、成長重視局面では「社外専門家支援も期待」する傾向が見られる。 【支援ニーズのある人材マネジメント施策】
次に「人材マネジメント施策」について、以下のそれぞれで事業局面ごとに分析されました(図4)。 ・人事スタッフ・人事部門からの積極的な関与・支援がほしいもの
・または社外の専門家の知見提供や支援がほしいもの
・要変革局面では、「優秀な人材が流出している/難しい仕事に挑戦する人が少ない/メンバーの自発的な活動が少ない」など、「優秀人材・自律人材の活躍の課題」に特徴が見られる。 また、「人事支援ニーズ/社外専門家支援ニーズ」についても、おおむね課題認識の高さと連動していました。ここで成長重視局面と要変革局面の特徴の違いについて見てみると、以下のようなことが分かりました。 ・「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている/次世代の事業経営を担う人材が育っていない」といった課題解決の支援ニーズに関して、要変革局面では「自社人事の支援」のみを選択する傾向があるのに比べ、成長重視局面では「社外専門家支援も期待」する傾向が見られる。 【支援ニーズのある人材マネジメント施策】
次に「人材マネジメント施策」について、以下のそれぞれで事業局面ごとに分析されました(図4)。 ・人事スタッフ・人事部門からの積極的な関与・支援がほしいもの
・または社外の専門家の知見提供や支援がほしいもの
その結果、「人事スタッフ・人事部門」に対しては、以下へのニーズがいずれの事業局面においても3割を超えました。
・「中途採用者の募集・採用の交渉・決定」
・「要員計画の策定」 「社外専門家」に対しては、以下のような場面での支援が求められていることが分かりました。 ・専門知識が求められる場面:「メンバーの能力開発(Off-JT)」「中途採用者の募集・採用の交渉・決定」「メンタルヘルス対策」
・組織内の人材マネジメント場面:「メンバーの能力開発(OJT)」「次世代リーダーの育成」「管轄組織内の異動や配置の交渉・決定」 そのことから、従来の自社のやり方とは異なる方法を取り入れるニーズが示唆されるとしています。また、成長重視局面では、以下が高い割合となりました。 ・「管轄組織をまたぐ異動や配置の交渉・決定」への人事支援ニーズ:31.2%
・「メンバーの能力開発(Off-JT)」への社外専門家支援ニーズ:25.8% そのことから、事業の成長のための組織改編や人材の配置転換、人材の抜擢や早期育成といった場面で、人事や社外専門家の支援が期待されていることが分かりました。また、要変革局面では、横の異動というよりは、縦方向のマネジメントを強化する人材育成が社内人事に期待されています。 ・人事部門ニーズが「メンバーの能力開発(Off-JT)」「次世代リーダーの育成」「中堅社員のモチベーション向上」で高い。
・社外の専門家に対しては「メンバーの能力開発(Off-JT)」(34.2%)だけでなく、「メンバーの能力開発(OJT)」(25.2%)でも高い。 専門家の風を入れて、職場における人材育成を変革・強化したいという意図が推察されるとしています。 【人事に求める専門性】
最後に、人事への期待を、専門能力面からたずねた結果が以下の図です(図5)。
・「要員計画の策定」 「社外専門家」に対しては、以下のような場面での支援が求められていることが分かりました。 ・専門知識が求められる場面:「メンバーの能力開発(Off-JT)」「中途採用者の募集・採用の交渉・決定」「メンタルヘルス対策」
・組織内の人材マネジメント場面:「メンバーの能力開発(OJT)」「次世代リーダーの育成」「管轄組織内の異動や配置の交渉・決定」 そのことから、従来の自社のやり方とは異なる方法を取り入れるニーズが示唆されるとしています。また、成長重視局面では、以下が高い割合となりました。 ・「管轄組織をまたぐ異動や配置の交渉・決定」への人事支援ニーズ:31.2%
・「メンバーの能力開発(Off-JT)」への社外専門家支援ニーズ:25.8% そのことから、事業の成長のための組織改編や人材の配置転換、人材の抜擢や早期育成といった場面で、人事や社外専門家の支援が期待されていることが分かりました。また、要変革局面では、横の異動というよりは、縦方向のマネジメントを強化する人材育成が社内人事に期待されています。 ・人事部門ニーズが「メンバーの能力開発(Off-JT)」「次世代リーダーの育成」「中堅社員のモチベーション向上」で高い。
・社外の専門家に対しては「メンバーの能力開発(Off-JT)」(34.2%)だけでなく、「メンバーの能力開発(OJT)」(25.2%)でも高い。 専門家の風を入れて、職場における人材育成を変革・強化したいという意図が推察されるとしています。 【人事に求める専門性】
最後に、人事への期待を、専門能力面からたずねた結果が以下の図です(図5)。
「情報」面では、以下がいずれの事業局面でも多く選択されていました。
・「自社の戦略・ビジネスについての精通」
・「従業員個々人の情報についての精通」 特に「自社の戦略・ビジネスについての精通」については、効率重視局面で50.8%と高く、重視されていました。「知識・技術」面では、以下が共通の期待として挙げられました。 ・「人事制度の設計や運用への精通」 また、以下のような特徴が見られたとのことです。 ・「コーチング、カウンセリング、ファシリテーションなどの実践スキル」は、効率重視局面ではさほどでないが、成長重視局面、要変革局面では3分の1以上が選択している。
・成長重視局面では「リーダーシップや人の心理に関する専門知識」「英語などの語学力・異文化マネジメントの知識」への期待が見られる。
・要変革局面では「人事関連データを集計・分析するための統計解析に関する専門知識」への期待に特徴が見られる。
・「従業員個々人の情報についての精通」 特に「自社の戦略・ビジネスについての精通」については、効率重視局面で50.8%と高く、重視されていました。「知識・技術」面では、以下が共通の期待として挙げられました。 ・「人事制度の設計や運用への精通」 また、以下のような特徴が見られたとのことです。 ・「コーチング、カウンセリング、ファシリテーションなどの実践スキル」は、効率重視局面ではさほどでないが、成長重視局面、要変革局面では3分の1以上が選択している。
・成長重視局面では「リーダーシップや人の心理に関する専門知識」「英語などの語学力・異文化マネジメントの知識」への期待が見られる。
・要変革局面では「人事関連データを集計・分析するための統計解析に関する専門知識」への期待に特徴が見られる。
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