調査・リサーチ

    2021.12.03

    消費者がリアル店舗に求めるのは「確信」と「驚き」/電通デジタルがリテールDX調査を実施

    電通デジタルは2021年12月2日、「リテールDX調査(2021年版)」の実施結果を発表しました。調査は2021年8月、東京都・名古屋市・大阪市に住む15~69才の男女を対象に行われました。この調査は、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、リテール(小売)業界で加速的に進行しているDXへの支援に向け、生活者の実態について調査されたものです。調査結果から、コロナ収束後に生活者がリアル店舗に求めることは、実物に触れることによる「確信」と「驚き」であることが分かりました。

     新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行によって、生活者のニーズや購買行動は様変わりしました。それらに対応するため、リテール業界、特にリアル店舗にとって、デジタル変革は急務の課題となっています。電通デジタルでは、リアル店舗に携わる事業者に対して、生活者のインサイト(洞察)を踏まえたDX支援を推進しています。その目的から、生活者の「リアル店舗およびデジタルサービスの利用実態に関する定量調査」を本年より開始したとのことです。

     なお、同調査で対象とするリテールの業態は、生活者にとって身近であることに加え、コロナ禍でより大きな影響を受けていることが予測される以下の6業態としています。

    ・コンビニエンスストア
    ・ドラッグストア
    ・スーパーマーケット
    ・百貨店
    ・外食
    ・銀行

     同社は今後、同調査を経年で実施していきます。それにより、生活者のリアルな動向を常に把握し、事業者への長期にわたる最適な支援を目指します。

     調査結果の考察として、以下が挙げられています。

    ・調査結果から、コロナ収束後に生活者がリアル店舗に求めることは、実物に触れることによる「確信」と「驚き」であることが分かりました。
    ・コロナの影響を受け、生活者がリアル店舗に足を運ぶ頻度が下がりました。その理由のTOP3は「人との接触を避けたいから」「1度にまとめ買いするようになったから」「インターネットサービスの方が便利だから」と、いずれも感染を回避するための行動変化と読み取れます。
    ・感染対策の手段として、モバイルオーダーやセミセルフレジといったデジタルサービスの導入が加速し、利用者が増えました。生活者のデジタルシフトが一気に進んでいることが分かります。
    ・リアル店舗への来店頻度が下がったと回答した約6割の生活者は、コロナ収束後も来店頻度は元に戻らないと答えており、デジタルチャネルの利便性を充実させることは、引き続き重要であると言えるでしょう。
    ・一方で、来店頻度は元に戻ると答えた残りの約4割は、主な理由として「実物を見て購入したいから」という、以前は当然のように行っていた体験価値を挙げています。さらには、「非日常的な世界観の体験」、「思いがけない商品との出会い」といった、リアル店舗ならではの予想を超える驚きを伴う体験価値を生活者が求めていることが分かりました。

     同社では、こうした生活者のインサイトより、今後、顧客体験をアップデートさせていくためには、実物に触れることによる「確信」と「驚き」を活用させていくことの重要性が示唆されると結論付けています。そして、コロナ禍によって生活者のデジタルシフトが加速する今、リアル店舗に携わる事業者は、非接触・効率化のためだけでなく、リアルならではの強みを活かしたDX推進が求められているとしています。

     主な調査結果は、以下の通りです。

    1. コロナ流行によるリアル店舗来店頻度の変化と減った理由
     コロナ前とコロナ後で、それぞれの業態の「店舗に行く頻度がどう変化したか」が調査されました。結果は、どの業態においても、来店頻度が「増えた」人よりも「減った」人のほうが多くなりました。特に、外食分野では約6割弱、百貨店では約4割弱、来店頻度が減ったとの回答でした。
    図1:「Q. コロナ前とコロナ後で店舗に行く頻度に変化...

    図1:「Q. コロナ前とコロナ後で店舗に行く頻度に変化はありましたか。(%:n=600)」/電通デジタル調べ

     来店頻度が「減った」と回答した人に、その理由をたずねた結果では、以下の3つが上位となりました。

    ・「人との接触を避けたいから」:68.8%
    ・「1度にまとめ買い(まとめて手続き)するようになったから」:28.9%
    ・「オンラインショッピング/フードデリバリーサービス/オンラインバンキング等のインターネットサービスの方が便利だから」:15.4%

     これらはいずれも、感染を回避するための行動変化と分析されました。

    2. コロナ収束後の来店頻度とリアル店舗に戻る理由
     コロナ前とコロナ後で来店頻度が「減った」と回答した人に、コロナ収束後に、来店頻度は「元に戻る」か、「今のまま変わらない」か、どちらになると思うかが調査されました。
    図2:「Q. コロナ前とコロナ後で来店頻度が減ったとお...

    図2:「Q. コロナ前とコロナ後で来店頻度が減ったとお答えいただいた方にお伺いします。コロナ収束後、来店頻度は変化すると思いますか。」/電通デジタル調べ

     来店頻度が減った人の4割以上が、コロナ収束後には以前のようにリアル店舗に来店すると回答しました。特に外食分野で約7割は、来店頻度が戻ると回答する結果になりました。一方で、銀行のみ「今のまま変わらない」という回答が約8割近くありました。業態ごとのリアル店舗への来店需要の差がうかがえます。

     また、「コロナ禍が収まった後、来店頻度が元に(リアル店舗に)戻る理由」としては、店頭で物を購入する業態では、以下の回答が上位になりました。

    ・「実物を見て購入したいから」:63.3%
    ・「様々な商品を比較して購入したいから」:40.0%

     一方、同じリアル店舗に戻る理由として、百貨店や外食の業態では、以下のような回答が多くなりました。

    ・「非日常的な世界観の体験」、「思いがけない商品との出会い」といった、五感を通して選ぶ・楽しむことや、新しい刺激を得ること

     百貨店では約4人に1人が、また外食では上位を占める回答で、そうしたことに価値を感じ、来店したい生活者がいることが浮き彫りになりました。
    図3:「Q. コロナ禍が収まった後、来店頻度が元に戻る...

    図3:「Q. コロナ禍が収まった後、来店頻度が元に戻る理由は何ですか。(上位回答順 ※複数回答可)」/電通デジタル調べ

    3. デジタル技術の利用状況
     コロナ前後での、デジタルサービスの利用状況についても調査が行われました。
    図4:「Q. 利用したことがあるデジタルサービスは何で...

    図4:「Q. 利用したことがあるデジタルサービスは何ですか。また、いつから利用していますか。(%:n=600)」/電通デジタル調べ

     コロナ禍で、生活者が「セミセルフレジ」(商品登録のみ従業員が行い、顧客自身が精算機で決済するレジ)や、「モバイルオーダー」といった、非接触・無人化を目的としたデジタル技術に触れる機会が増えたことがうかがえます。そして、デジタルシフトが進んだことが明らかになりました。

     電通デジタルでは、同調査の結果を踏まえ、リアル店舗における顧客体験の高度化や、そこで働くスタッフの従業員体験の最適化を検討していきます。そして、課題精査や顧客体験設計、マーケティングシナリオ作成などのサービスを提供していきます。

     それにより、コロナ禍で大きな打撃を受けたリテール事業者に対し、本質的な事業変革を目的としたDX推進を支援します。さらに、その先にいる生活者に寄り添った顧客体験の実現に貢献していきます。同社は今後も、リテール業界に求められる顧客への新たな価値提供を創造し、短期での成果創出と、中期的なビジネス変革の両輪を目指します。

     なお調査概要は、以下の表の通りです。
    調査対象者 15~69才の男女
    算出用サンプル数 600サンプル(年代ごとに100サンプル)
    調査対象者の住所 東京都、名古屋市、大阪市
    調査対象者の職業 会社員、パート/アルバイト、自営業/自由業、公務員、医療関係者、専業主婦・主夫、学生、年金が主な収入の方、お勤めでない方、その他
    調査時期 2021年8月11日~8月18日
    主な調査項目 ・デジタルサービスの利用経験
    ・現在のリアル店舗来店頻度
    ・コロナによるリアル店舗来店頻度の変化とその理由
    ・コロナ収束後のリアル店舗来店頻度
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