調査・リサーチ

    2022.01.21

    DX推進企業の多くが“DX前の初期段階”の取り組みに留まる、帝国データバンク調べ

    帝国データバンクは2022年1月19日、企業のDX推進に関する調査結果を発表しました。現在の取り組み状況やDXを進める上での課題などを聞いています。

     DXの理解度について聞いた結果が図1です。

    図1:DXについて、どの程度理解し、取り組んでいるか

    図1:DXについて、どの程度理解し、取り組んでいるか

     DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業は15.7%で、7社中1社でした。「意味を理解し取り組みたいと思っている」(25.7%)と合わせると4割がDXを前向きに捉えています。

     一方、「言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない」(31.6%)、「言葉は知っているが意味を理解できない」(13.3%)、「言葉も知らない」(6.4%)など、半数超でDXへの取り組みが進んでいない状況となっています。

     では企業規模別ではどうか。「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」と答えた企業を規模別、業種別に分類した結果が図2です。
    図2:DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業...

    図2:DXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業の割合(規模別・業種別)

     「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業の割合は「大企業」が28.6%でした。全体(15.7%)を大きく上回る結果となりました。一方、「中小企業」は13.0%で、DXへの取り組み状況は「大企業」と「中小企業」の間で15.6ポイントの差があります。さらに「中小企業」のうち「小規模企業」は8.4%と1割を下回っています。

     業界別にみると、フィンテックの活用が活発な「金融」では25.2%、情報サービスなどを含む「サービス」が24.1%で高い割合でした。「建設」(11.4%)や「農・林・水産」(12.3%)といった業種では、DXに取り組んでいる企業は低い割合にとどまっています。

     では「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業は、どんな取り組みを進めているのか。取り組む内容をまとめた結果が図3です。
    図3:DXに取り組む企業が現在取り組む内容(複数回答)

    図3:DXに取り組む企業が現在取り組む内容(複数回答)

     結果は、「オンライン会議設備の導入」(82.7%)、「ペーパーレス化」(77.6%)、「テレワークなどリモート設備の導入」(69.5%)といったDXの初期段階に関する取り組みであると答えた企業が97.0%を占めました。「既存製品・サービスの高付加価値化」や「新規製品・サービスの創出」、「ビジネスモデルの変革」といった本格的なDXに取り組む企業は37.4%で、3社に1社となっています。

     一方、「デジタル化への対応にともなう業務プロセス・組織の見直し」(39.2%)、「DX推進のための予算の確保」(29.1%)など、組織面・予算面での取り組みを推進する企業も少なくありません。「デジタル人材の育成」(27.4%)や「デジタル人材の採用」(19.0%)といった、デジタル人材の確保に関する取り組みもあります。

     「AI活用(チャットボットによる自動化やビッグデータ分析等)」(11.2%)など、AIの活用やビッグデータ分析などの取り組みは1割程度にとどまります。

     DXに取り組む上での課題について聞いた結果が図4です。
    図4:DXに取り組む上での課題

    図4:DXに取り組む上での課題

     1位は「対応できる人材がいない」(50.6%)でした。「必要なスキルやノウハウがない」(47.7%)など、半数の企業で人材やスキル・ノウハウの不足を課題と捉えています。すでにDXの「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業でも、「対応できる人材がいない」は36.0%、「必要なスキルやノウハウがない」は32.7%で、3社に1社が課題であることが読み取れます。

     なお、現在DXに取り組んでいない企業では、「対応できる人材がいない」(54.7%)、「必要なスキルやノウハウがない」(52.5%)、「対応する費用が確保できない」(28.3%)、「どこから手を付けて良いか分からない」(17.5%)といった項目で、取り組んでいる企業と大きな差がありました。
    図5:現在DXに取り組んでない企業との課題の比較

    図5:現在DXに取り組んでない企業との課題の比較

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