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佐賀県の着物販売店がDX、モノを売るから体験を売る企業へ進化

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佐賀県佐賀市に本社を構える鈴花商事。着物を販売する「鈴花」を関連企業にするなど、地元に根付いた販売網を確立します。今回、小売店を展開する鈴花がDXを推進。優れたDXの取り組みを表彰する「日本DX大賞」のUX部門で大賞を受賞しました。鈴花は具体的にどんな取り組みを進めたのか…。

鈴花商事の関連企業である鈴花は、着物や装飾品を扱う小売店を展開します。九州から近畿に約60店舗を構え、地域に合った商品やサービスを提供することを特徴に打ち出します。

そんな鈴花がDXに取り組み、効果を上げています。「モノを売る企業から体験を提供する企業への進化」を掲げ、DXプロジェクトとして3つのプロジェクトを推進しました。
1.新たな顧客体験のためのデジタル活用
2.顧客に寄り添うためのコミュニケーション設計
3.内製による社内アプリ開発とデータ分析

各プロジェクトでは具体的にどんな施策に打って出たのか。

「新たな顧客体験のためのデジタル活用」では、顧客向けのアプリを用意。店舗だけではなくオンラインでも顧客とつながる仕組みづくりを目指します。「和服らいふ」と呼ぶアプリを開発し、顧客がどんな着物や帯を所有しているのかを把握できるようにします。顧客自ら箪笥の中などをスマートフォンで撮影し、どんな色や柄の着物や帯を持っているのかを写真で確認することが可能です。顧客にとっては来店時、どんな着物を所有しているのかをアプリで確認できるのがメリットです。店舗の販売員にとっては顧客の来店時、顧客が所有する着物の色や柄に合う帯を提案できるといったメリットがあります。そのほか、社員が作成したブログを配信するなど、頻繁に来店しない顧客に対してもアプリを通じてつながりを持てるようにします。

さらに、アプリを活用した「きもの保管サービス」も開始します。これは、自宅に保管することで痛んでしまいがちな着物を、同社が一定期間預かるサービス。シーズンが終わった着物を丸洗いしてから預かるといい、同社では着物の手入れや保管に悩む顧客の課題を解消するサービスと位置付けます。顧客の着物や帯の所有/保管状況をアプリで可視化したことが、新たなサービス創出につながっています。

「顧客に寄り添うためのコミュニケーション設計」では、顧客との関係強化を目指します。顧客と店舗販売員といった“個と個”のつながりから、顧客と店舗、もしくは本社といった関係構築を図ります。顧客の趣味や嗜好などといった情報の多くが、店舗販売員の頭や手帳に留まる状態を解消するのが狙いです。こうした属人的な営業体制を見直し、店舗販売員が持つ顧客情報を共有する仕組みを構築します。LINEを使って必要な情報を顧客に発信するほか、店舗ごとのQRコードを用意。QRコード経由でアクセスした顧客に対し、アンケート回答者には割引券を発行するなどの新たな価値提供も進めます。

「内製による社内アプリ開発とデータ分析」では、店舗販売員などが利用するツールを内製化します。ローコードツールである「Microsoft Power Platform」を使い、平均年齢が60歳超となる店舗販売員でも簡単に使えるアプリを開発しました。アプリでは顧客の来店日時やイベントなどを確認できるほか、顧客から「きもの保管サービス」の利用申し込みがあれば通知する機能も備えます。店舗販売員が接客しながら使うことを想定し、アプリはタブレットで操作できるようにしています。

 さらに、顧客情報を一元管理することでデータ分析も進めます。会員顧客約10万人の顧客情報をデータベース化。店舗販売員がタブレットを使って必要な情報を容易に呼び出せるようにしました。データ分析も進め、例えば最後に来店してから一定期間連絡のない顧客を抽出するといったことが可能です。来店頻度の少ない顧客に対して再来店を促すなど、顧客の状況に応じた施策を展開できるようにしました。これまではPOSデータを使い、売上に応じた施策を検討するにとどまっていました。

図1:鈴花のDXへの挑戦をドラマ仕立てで再現した動画が話題に

なお、同社はプロジェクト実施に伴い、社内体制なども見直しました。再校経営責任者である社長の直下にDX推進室を設置。商品部や企画部、営業部などの各組織を横断して情報共有できる体制に変えました。さらにシステム課は総務部や営業部との連携を密にし、アプリやサービス運用時の問題を迅速に解消できるようにします。一方、従業員向けに社内勉強会を定期的に実施。従業員のITリテラシー向上とスキルアップ強化も図ります。

DXによるこれらの取り組みが、売上にも影響を与え始めているといいます。2020年1月~4月の売上の前年比は92.4%だったのに対し、2021年1月~4月は96.5%、2022年1月~4月は97.8%、2023年1月~4月は101.8%と増加傾向が見られます。LINEでつながる顧客に限れば、2023年1月~4月は113.6%と、全売上の前年比101.8%を上回る結果を示します。

内製化したアプリを利用する店舗販売員からは「お客様のお買い上げ商品の写真を紐づけでき、商談に役立てられる」といった声も上がっているいいます。

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