小売業を取り巻く市場背景として、以下のようなものがあります。
・人口減少などによる国内需要の伸び悩み
・人手不足
・新型コロナウイルス感染症の影響で変化した生活者の消費・購買行動
・Eコマースの攻勢
リテール各社はDXを推進し、ニューノーマル時代における小売業の新しい姿を模索していますが、思うように進んでいない実態があります。
そうした課題を解消するため、リテールDXに関する各領域で強みを持つアドインテ、電通デジタル、電通テックの各社は協業します。そして、小売業に特化したDXを支援する専門チーム「Retail-Xing」を立ち上げ、ソリューションを提供します。
各社の専門性を掛け合わせることで、顧客体験を起点に、DXの企画・コンサルティングから実装・運用まで一気通貫で支援します。それにより、クライアント企業のビジネスを加速させていきます。
Retail-Xingにおける各社の役割は、以下のようになります。
・電通デジタル
〇顧客ペイン(困りごと)の解消を起点にした顧客体験設計
〇マーケティングシナリオ作成などのフロントエンドの設計
・電通テック
〇デジタルを起点とした店頭プロモーション領域の課題解決など、各種ソリューションの提供
・アドインテ
〇同社開発の「AIBeacon」による、来店ユーザーの分析や来店促進など技術ソリューションの提供
〇リテールメディア(小売側のオフラインデータを活用して広告配信する仕組み)の開発、運用
AIBeaconは、スマートフォンのデータマイニング技術を利用したO2O(Online to Offline)ソリューションです。アドインテが独自開発したビッグデータ解析システムと、Beacon機器(スマート・センサ)により、O2Oの施策を提供します。Beacon端末に近づいたユーザーの行動特性に合わせて、プッシュ通知やクーポンなどを発行することができます。
AIBeaconの特徴として、「Wi-Fiでも検知可能」「専用アプリ不要」といった点があり、従来のBeaconが持つ課題をクリアにしたものです。発表によれば計測可能範囲は最大で半径約180mです。また個人情報を取得することなく、匿名のアクセス情報として取得できます。取得した情報は、アドインテDMP(データ管理プラットフォーム)に蓄積され、各種のマーケティング施策に活用可能です。
Retail-Xingが提供する具体的な支援内容として、以下の6点が挙げられています。
1. メーカーとの共同販促
POSデータ・位置情報データ・顧客データなどを活用した、リテール領域におけるメーカーとの協業販促の実施・運用支援
2. リテールCRM(顧客関係管理)連携
企業が自社で保有する顧客データやPOSデータなどを、CDP(顧客データプラットフォーム)へ格納し、顧客ごとへの最適な広告配信やプロモーションを実行
3. 販売力の強化支援
デジタルを活用した業務オペレーションの見直し・改善や、従業員教育による販売力の強化支援
4. 店頭デジタルプロモーション
オン(Webサイト/アプリ)とオフ(店舗)をシームレスにつなぎ、店頭集客や売上向上のためのデジタルプロモーションの企画・実行
5. 顧客体験を起点としたサービス開発
生活者のニーズや消費行動の変化に合わせた、テクノロジーやデータを活用したサービス開発
6. 事業変革コンサルティング
リテールDXの推進、データ活用によるRaaS(Retail as a Service)など、既存の「小売業」の枠にとらわれない新たな事業価値の創造
今回の業務提携により、アドインテは電通テック、電通デジタルの両社と緊密な連携を図っていきます。また、同社の強みである来店ユーザーの分析や、来店促進などの技術ソリューション、リテールメディア開発の運用サービスを提供します。そして、生活者に新たな買い物体験を提供できるよう、リテールDX支援を強化していきます。
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