市場動向

    2022.01.28

    プロジェクトマネジメント実務者の給与はいくら? PMIがグローバルの調査結果を発表

    プロジェクト専門家のための協会であるProject Management Institute(PMI)は2022年1月17日、「プロジェクトマネジメント給与調査」の実施結果を発表しました。2021年3月から6月にかけて実施された同調査は、今回で12回目となるものです。同調査により、プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)の資格を持つ回答者と、PMP資格を持たない回答者との比較が行われました。それによると、PMP有資格者の給与の中央値は、調査対象となった40カ国の平均で、無資格者よりも16%高い結果となりました。さらに、プロジェクトマネジメント分野における継続的な教育とスキルアップが、潜在的な収入増加につながることが明らかになりました。

     1969年創設のPMIは、世界における何百万人ものプロジェクト専門家とチェンジメーカーのコミュニティの成長を支える専門職組織です。今回の「プロジェクトマネジメント給与調査」では、3万人以上の回答者(79%がPMP資格を保有)の見解が反映されました。

     依然として新型コロナウイルスの大流行が世界経済に影響を与えている中で、回答者の半数が、調査期間前の12カ月間に、総報酬(給与、ボーナス、その他のインセンティブを含む)が増加しました。また、4分の1近くが、その期間中に報酬総額が5%以上増加したと回答しました。

     同調査は、隔年で実施されています。以下のような効果が挙げられています。

    ・プロジェクトマネジメントのスキル、経験、資格の給与面における価値を把握することができる
    ・ダイナミックな雇用市場の中で、プロジェクトマネジメント実務者が得られる可能性のある収入について認識を深めることができる
    ・データは、雇用主や人事部、エグゼクティブ・リクルーターにとって、プロジェクトマネジメントの組織内の役割について、市場価値に見合った公平な給与範囲を決定するのに役立つ

     今回の調査の主な結果として、以下の3項目が挙げられています。

    (1)
     給与の中央値が最も高い上位3カ国は以下の通りです。

    ・スイス(140,983米ドル)
    ・米国(115,000米ドル)
    ・オーストラリア(113,664米ドル)

     日本の給与の中央値は73,448米ドルで、PMP資格を持っていない人よりも2%高くなっています。

    (2)
     ほぼすべての国で、役職が上がるにつれて給与も上昇する傾向にあります。ただし、その上昇率は、国によって大きく異なります。以下の国では、プロジェクトマネージャーIからプロジェクトマネージャーIIIへの昇格に伴い、給与の中央値が60%以上も上昇しています。

    ・パキスタン
    ・エジプト
    ・サウジアラビア
    ・ニュージーランド

    (3)
     日本では、平均給与の中央値が、以下の通りとなっています。

    ・プロジェクトマネジャーI:64,267米ドル
    ・プロジェクトマネジャーII:71,718米ドル
    ・プロジェクトマネジャーIII:81,711米ドル

     ポートフォリオマネージャーは、PMP保有者の役職を比較すると、平均給与が91,811米ドルと、最も高くなります。また、プロジェクトマネジメントの経験年数を比較すると、高い順に、以下のようになっています。

    ・20年以上の従事者:82,629米ドル
    ・15~20年:77,121米ドル
    ・10~15年:73,448米ドル

     今回の調査を発表したPMIのアジア太平洋地域マネージングディレクター兼建設部門のグローバル責任者べン・ブリーンは、次のように述べています。
    「今後10 年間のプロジェクトマネジメント指向人材の雇用の傾向とその世界的影響を予測した『PMI人材ギャップ・レポート』によると、2030年までに2,500万人の新たなプロジェクト専門家が世界規模で必要になると予測されています。」

     PMIでは、世界的なニーズの高まりと変化に対応しラインアップを強化するため、新しい認定資格の発表や既存認定資格の更新を行いました。2021年7月には、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版」が発売されました。日本語版は、2021年10月にPMI日本支部より販売を開始しています。

     PMBOKガイド第7版の特徴として、以下が挙げられています。

    ・あらゆる開発アプローチを網羅(予測型、従来型、適応型、アジャイル、ハイブリッドなど)
    ・開発アプローチとプロセス群の「テーラリング」に関する章を創設
    ・新しい章「モデル、手法、成果物」では、ツールと技法の記述を拡張して一覧化
    ・成果物に加えて「プロジェクトの成果」にも焦点を当てる
    ・対話型のデジタル・コンテンツ・プラットフォームPMIstandards+と統合し、PMBOKガイドを仕事で活用するのに役立つコンテンツへのアクセスが可能

     また、日本国内では、DAスクラムマスター(DASM)とDAシニアスクラムマスター(DASSM)の2つのディシプリンド・アジャイル(DA)コースの日本版を、2021年11月より展開しています。これらのコースを習得することによって、目的にあったアプローチをより強固にし、チームの働き方の最適化や改善を図ることが可能です。以下の特徴が挙げられています。

    ・DAスクラムマスター(DASM):アジャイルチームをリードするための資格で、アジャイルが急速に普及している業界でのキャリア形成に役立ちます。ディシプリンド・アジャイル ツールキットには、スクラム、カンバン、SAFe、さらに予測的なアプローチを含む何百もの実証済みのプラクティスが含まれています。それらを文脈に沿って解説しています。このコースを受講し、DASM認定を受けることで、組織や業界で直面している状況に応じて、自分の仕事の進め方を最適にカスタマイズする方法を理解することができます。
    ・DAシニアスクラムマスター(DASSM):経験豊富なアジャイル実務者を対象に、ディシプリンド・アジャイル ツールキットを使用して、チームの作業方法の最適化、組織内の協力、さまざまな高度な問を解決方法について習得します。この14PDUコースでは、DASSM試験を受験し、リーダーシップを発揮しながらすぐにディシプリンド・アジャイル を実践するための準備を行います。

     さらに、新しい認定資格の1つとして、PMI Construction Professional in Built Environment Projects(CPBEP)(英語版のみ)が2021年11月に発表されました。CPBEPは、建設業の専門家や組織が直面している課題や機会を理解し、建設専門家に特化した業界別のソリューションです。2022年に実施予定のキャップストーン試験と、試験へ向けた7つのオンライントレーニングコースが含まれています。これらは、建設会社がさまざまな新技術を試しながら業務拡大を進める中で、あらゆるプロジェクトを成功させるために必要なスキルアップに役立つとのことです。
    1 件
    〈 1 / 1 〉

    Related

    市場動向