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2021.04.19

政府肝入りのスマートシティ構想、ガイドブック公開で自治体のDX加速

都市や地域が抱えるさまざまな課題解決の手段として注目される「スマートシティ」。政府は現在、Society5.0を具現化するショーケースとしてスマートシティの取り組みを後押ししています。そんな中、内閣府などは2021年4月9日、「スマートシティガイドブック」を発表。地方公共団体や公民連携の協議会など向けに、スマートシティの意義や必要性、進め方などをまとめた資料を公開しました。具体的にどう取り組めばよいのか。ガイドブックの概要を紹介します。

5つに分かれるスマートシティの進め方

 ガイドブックでは、地方自治体などがスマートシティに取り組む際の手順も記しています。具体的な手順と内容は以下の通りです。
図3:スマートシティの進め方(例)

図3:スマートシティの進め方(例)

 例えば初動段階は、本格的に検討する準備段階という位置付けで、庁内の推進体制を整えるとともに、地域の関係者との対話を通じた機運の醸成に努めるようにします。地元の経済界や地域住民団体、地元大学などと会話したり、庁内に部局を横断するプロジェクトチームを構築したりし、ステークホルダーとともに準備を進めます。
図4:例えば福島県磐梯町は初期段階として専門部署を設置

図4:例えば福島県磐梯町は初期段階として専門部署を設置

 準備段階では、地域の目指す方向性、課題、強みなどを分析します。地域の関係者や市民のニーズを収集し、スマートシティとして打ち出すビジョンを地域で共有します。関係者への十分なヒアリングするとともに、関係者間でビジョンを共有・認識するようにします。
図5:例えば石川県加賀市は準備段階として基本理念を宣言した

図5:例えば石川県加賀市は準備段階として基本理念を宣言した

 計画(戦略)策定段階では、主体的にプロジェクトに参画する公民学などの推進主体と具体的な計画(戦略)を策定します。推進主体となるコンソーシアムを組成したり、ビジョンを実現するための具体的な道筋を描いた計画(戦略)を策定したりします。
計画(戦略)に記載すべき主な事項(国土交通省スマートシティモデル事業における主な記載事項)
目標 都市の将来像をふまえた、都市の課題と整合した目標
課題 地域が抱える課題について記載
KPI 目標および課題と整合し、地域の価値・収益向上効果が明らかになるような目標値、達成年度
取り組み内容 取り組みの全体像、取り組み内容、特徴
ロードマップ 調査、計画、実証、実装までのスケジュール
役割分担 関係者の合意形成および役割分担、推進体制を記載
持続可能な取り組み 初期投資から維持管理・運営までを見据え、公民の適切な費用負担、資金計画や投資回収期間
データ利活用方針 活用するデータ、データプラットフォームの整備および活用方針
 実証・実装~定着・発展段階では、システム導入やサービスの実証実験などを通じ、社会的受容性を高める実装を進めます。実装後も長期にわたる取り組みを通じて根付かせるようにします。サービス実装後もモニタリングするなどして改善に努め、社会の変化に対応した新サービスの導入を進めるなどして継続的に取り組むことが求められます。
図6:例えば長野県伊那市は実証・実装としてドローンを使...

図6:例えば長野県伊那市は実証・実装としてドローンを使った配送サービスに着手

 ガイドブックでは、機能的かつ機動的な推進主体を構築することの必要性にも触れています。異なる組織の論理や、利害を有する公民などが参画し、利害を調整しながら実行力を強化することが必要です。利害調整には、合理的で適正な意思決定をするためのガバナンス(組織規約など)を明確化しておくことも必要としています。
図7:栃木県宇都宮市の場合、「Uスマート推進協議会」が...

図7:栃木県宇都宮市の場合、「Uスマート推進協議会」が推進主体となって取り組む

 また、官民のさまざまなデータを流通・利活用するためんは「保護」と「利活用」のバランスが重要です。各種ガイドラインを参考にし、データの取り扱いルールやリスクなどを検討するほか、ルールを市民や企業に告知して理解してもらう取り組みも重要であるとしています。
図8:千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」では、データ...

図8:千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」では、データ倫理委員会を設置してガバナンスを強化する

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