スマートシティの中核となる都市OS(データ連携基盤)
スマートシティでは官民のさまざまなデータを連携し、それらを使ったサービスを提供できるようにすることが前提となります。そのため、どこからどんなデータを集めるか、といったデータを収集・管理するための仕組みが重要です。ガイドブックには、データ連携基盤となる都市OSの主な該当と導入時の留意点にも触れています。
都市OSは都市間の相互連携を想定した共通の土台となり、新サービスを低コスト短期間で提供できること、都市間連携によりマーケット規模を拡大できること、分野間連携により新サービスの創出や既存サービスを深化できることを、ガイドラインでは要件として掲げています。
とりわけ、防災や防犯、交通などといった用途別にデータ収集基盤を用意するサイロ型ではなく、これらを一元的に収集・管理する基盤であることを求めています。センサーやカメラ、行政データなどを収集するためのAPIを用意し、基本機能やセキュリティ機能を備える都市OS(データ連携基盤)に集約できるようにします。
蓄積したデータもAPIを使って各種アプリケーション(サービス)に提供できるようにします。これにより、新たな用途、ニーズが生じたときもAPIを使って必要なデータを容易に取り出してサービスを創出できるようにします。

図9:都市OS(データ連携基盤)の利用イメージ
なおガイドブックでは、20~30年先を見据え、都市OSは拡張が容易だったり、特定のベンダーに依存するベンダーロックインを排除したりすることに注意するよう記されています。収集すべきデータも勝手に集まるものではなく、積極的に取得する姿勢を示すことにも触れています。必要なデータがなければ、どんなデータが必要なのかを認識し、マッチングなどを実施してデータを探す取り組みも必要であるとしています。
プロジェクトを評価するKPIを設定
ガイドブックでは、適切な指標を設定し、その指標を見える化する取り組みにも注意するよう記しています。取り組みの進捗を可視化し、市民に説明できる体制にも目を向けます。
目標に対応したKGI、各テーマの目標に対するKPI、取り組みの効果を示すアウトカム指標、取り組みの活動量を示すアウトプット指標を設定することが必要です。こうした定量的なKPI評価を用いることで、今後の計画の更新やプロジェクトを改善できるようにします。