「DX」という言葉を正しく理解しているかを聞いた結果が図1です。

図1:あなたはDXという言葉についてきちんと理解していますか。
現場職の場合、「いいえ」が69.1%で、「はい」(31.0%)を大きく上回っています。管理職の場合、「いいえ」は半数以下の45.3%で、「はい」(54.3%)と答えた割合の方が多くなっています。現場に限ると、DXが十分浸透していないことが窺えます。
では実際に、DXが自社で進んでいると思っているのか。その結果が図2です。

図2:あなたの勤めている会社では、DXが進んでいると思いますか。
「あまり進んでいない」が51.6%でもっとも多く、「全く進んでいない」(10.4%)を合わせると、6割強の回答者が自社えDXは進んでいないと感じています。「とても進んでいる」の割合は8.6%にとどまります。
IT導入が自社を変革するのに使われているかどうか。ITシステム導入後の浸透状況を聞いた結果が図3です。

図3:あなたの勤めている会社では、ITシステムを単なる導入に留まらず、事業や業務の特性にあわせて最適化(必要な機能の追加や変更、開発など)を行い、サービスや事業の変革のために組織全体で活用・浸透までしていますか。
「あまり浸透していない」が63.6%を占めます。「全く浸透していない」も11.9%と少なくなく、2つを合わせると75.5%がITシステムが浸透せず、十分活用できずにいることが分かります。「浸透している」は24.5%で、4社に1社の割合にとどまります。
ではITシステムを活用する上で、運用や組織に求められることとは何か。必要なものを聞いた結果が図4です。

図4:事業や業務の変化にあわせて継続的にITシステムの最適化をおこない活用する上で、運用や組織において何が必要だと考えますか。当てはまるものを3つまでお選びください。
管理職、現場職とももっとも多かったのが「事業や業務の変化に合わせて、柔軟に機能の追加や変更ができるITシステムを利用すること(ITシステムの柔軟性)」で、全体で54.6%でした。
管理職に限ると、2位と3位はそれぞれ「身近なITエンジニアの存在」「ITシステムに関する教育環境」でした。ITシステムを使いこなす人材や教育体制が必要だと考える管理職が多いようです。
ITシステムを浸透させる際、費用やコストのどんな点が課題になるかを聞いた結果が図5です。

図5:ITシステムを単なる導入で終わらせず、事業や業務にあわせて最適化をおこない、組織として活用・浸透させる上で、費用・コスト面での課題は何だと考えますか。当てはまるものを3つまでお選びください。
もっとも多かったのは「必要な機能や開発作業について、費用に対する妥当性が判断できないこと(コスト妥当性の判断が困難)」で40.1%を占めます。2位は「将来的に必要となる機能や開発作業を予見することができず、予算が立てられないこと(将来要件の策定が困難)」で36.9%、3位は「予定していなかった機能や開発作業のため、後から予算確保が難しいこと」で32.1%でした。
ITシステムの導入プロジェクトは、慎重な進行かスピード感ある進行のどちらが好ましいか。その結果が図6です。

図6:ITシステム導入のプロジェクト進行にあたり、好ましいと感じるのはどちらですか。理由もあわせて教えてください。
結果は「追加の要件や修正を受け入れることができる柔軟で、スピード感あるプロジェクト進行」が59.5%で半数を超えました。
ITベンダーとは、一切を丸投げできる関係かパートナーとして相談できる関係のどちらが好ましいかを聞いた結果が図7です。

図7:ITシステム導入にかかわるITベンダーとの関係性について、好ましいと感じるのはどちらですか。理由もあわせてお答えください。
結果は「ITシステム利用者であれば気軽に相談、依頼ができる、パートナーとしてのITベンダー(ITサービス提供者と利用者の関係)」が73.0%でした。「事前に取り決めた要件や業務定義の範囲内において、一切を丸投げできるITベンダー(請負契約・準委任契約による関係)」と答えた割合は27.0%にとどまります。