対談企画の前には、DX実践塾塾長の鈴木康弘が「塾長講話」と題し、現在の課題を整理しました。「DX」という言葉が多様される現状に対し、「多くのメディアが『DX』や『デジタル化』という言葉を使い、取り組まなければ乗り遅れると煽っている。メディアだけではなく、コンサルティング会社やシステム会社、広告代理店などの同様にDXの提案に躍起になっている。その結果、デジタル化自体が目的となっている」と指摘し、こうした「DXバブル」の状況がDX推進を阻害する要因の1つだと問題提起しました。
また、「DX人材」という呼び方にも疑問を呈します。「DX人材を採用する動きが活発化している。しかし中にはシステムに精通する人、マーケティングに精通する人などさまざまだ。こうした人たちをまとめて『DX人材』と呼ぶのはどうか。事業や組織の変革を進めてきた経験者こそ『DX人材』である。もしコンサルティング会社やシステム会社などとともにDXを推進するなら、取引先企業に真の『DX人材』がいるかどうかもきちんと見極めるべきである」と指摘しました。
なお今回の塾長講話では、今後のDX実践塾の取り組みも発表しました。2021年6月11日に刊行する著書「成功=ヒト×DX」(プレジデント社刊)の内容に沿い、起こり得る失敗要因、成功させるための進め方、変革を定着させるための心構えなどをテーマ別に講義する予定です。
鈴木康弘著「成功=ヒト×DX」(プレジデント社) 詳しくはこちら