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これから生き残る人物像に迫る! 必要不可欠な経験やスキル、考え方とは?

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DXマガジンは2023年5月11日、定例の「DXセミナー」を開催しました。今回のテーマは「あなたは生き残る人材? 消える人材?~企業から求められる人に共通する価値とは~」。デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長で日本オムニチャネル協会会長の鈴木康弘氏が登壇し、これからの社会や企業に必要な人物像に迫りました。

当日のセミナーの様子を動画で公開しています。ぜひご覧ください。

生き残る人材をPEST分析で考察

多くの企業にとって喫緊の課題である「人材育成」。最近はリスキリングに取り組み、新たなスキル育成に乗り出す企業も珍しくありません。
では、これからの時代に必要な人材はどんなスキルを有するべきか。どんな経験を積むのが望ましいか。企業の多くが進める人材育成施策で本当に十分なのか…。今回のセミナーでは、企業が欲しがる人物像、企業が欲しくない人物像にフォーカス。企業に求められる人物像を徹底追及しました。
今回のセミナーには、デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長で日本オムニチャネル協会会長の鈴木康弘氏が登壇。さらに若い世代の代表として、同社への入社が内定する大学生2人を交え、これからの人物像を討論しました。
セミナー前半は鈴木氏による講演を実施。PEST分析を使って日本の課題を洗い出しました。「政治、経済、社会、技術は今後、大きく変化する。企業はもちろん、個人もこれらの動向に追随しなければ生き残れない。企業や個人も大きく変わる必要性に迫られている」(鈴木氏)と、変化を受け入れる姿勢が必要だと強調しました。
写真:求められる人物像について講演したデジタルシフトウ...

写真:求められる人物像について講演したデジタルシフトウェーブ 代表取締役社長の鈴木康弘氏

では、日本企業を取り巻く状況とは。鈴木氏はPEST分析を使い、政治や経済などのカテゴリに別の状況を整理します。PESTによる主な状況・課題は次の通りです。
Politics(政治)
・コロナを経て国家運営の転換(今までの常識が通用せず)
・円安による物価高騰(サプライチェーンの見直し)
・エネルギーの安定供給(エネルギー改革の波)
・日本のデジタル競争力の低下(先進国29位にランクイン)
・人口減の本格化(異次元の少子化対策~こども家庭庁)
・地政学リスクの増大(安全保障体制の見直し、増税)
・官僚制度の疲弊、国家財政の危機
Economy(経済)
・新しい社会に対応した経営戦略の見直し
・本当に機能する企業ビジョンの再設計
・デジタル変革(DX)による業務改革
・DXによる業界・業態・組織の壁の融合
・人材のリスキリング教育の強化
・在宅リモートワークが終わった米国(日米逆転やがて日本も)
・希薄化したコミュニケーションの再構築
Society(社会)
・コロナ後のニューノーマル社会への移行
・人生100年時代、超高齢化社会への移行(社会保険料UP)
・労働人口不足の表面化(2030年には644万人不足)
・バブル世代(現40、50代)の貯蓄不足・再就職困難
・努力格差による将来の収入格差の拡大(自己啓発の差)
・先行き不透明のストレスによる心の病増加(コロナ禍激増)
・幸せの定義の多様化(well-beingへの取り組み)
Technology(技術)
・2025年の崖の表面化(レガシーシステム老朽化問題)
・ユーザーとシステム会社の関係の変化(低位安定からの脱却)
・クラウドへのさらなるシフト(独自インフラ縮小、SaaSの本格普及)
・ノーコード開発の普及(スクラッチ開発、システム保守の段階的縮小)
・プロマネ人材の枯渇によるプロジェクトが迷走
・AIブームの終焉とリアルタイム最適化へのシフト
・ChatGPT登場による情報処理自動化と人間力の強化
日本企業を取り巻く環境をきちんと把握することが大切だと鈴木氏は続けます。「例えば『政治』を見ると、コロナや円安など、ここ数年で大きく変化している。国内動向のみならず、世界の動きに注視することが必要だ。世界の動静が自社にどう影響するのかを考えるようにすべきである。そのためには世界の変化を俯瞰してみる力がますます求められるだろう」(鈴木氏)と指摘します。さらに、「自分の周辺だけを見るのではなく、組織や企業、業界、マーケットといった広い視点で物事をとらえるべきだ。『木を見て森を見ず』という言葉の通り、俯瞰する思考力が求められる」(鈴木氏)と述べました。
「Society(社会)」の課題に対しては、多様な価値観を理解すべきだと強調します。「社会の変化はもちろん、世代ごとに異なる考え方や課題を理解することが求められる。多様な価値観を備えなければ、『Society(社会)』のこれら課題を対処できない」(鈴木氏)と指摘します。さらに多様な価値観を理解するには、あらゆるものに興味を持つべきだと指摘。「あらゆる人や年代、業界、仕事、遊びに興味を持ってほしい。これまでは1つのことを追求すべきという考え方が重宝されていたが、これからの社会にはもはや通用しない。あらゆることに興味・関心を持ち、相手の立場にたって物事を見る力を養うべきだ」(鈴木氏)と考察しました。
さらに「Economy(経済)」の課題に対して「ゼロベースで思考し、行動する力」が必要だと鈴木氏は指摘します。「日本経済は成熟し、成長が鈍化しつつある。リスクを避けた行動を余儀なくされるようになり、挑戦する機会が失われた。その結果、自ら考える機会も喪失した。こうした姿勢から脱却すべきだ。そのためには自ら考えることを習慣化すべきだ。ゴールを常に設定し、すぐ行動に移せる人であってほしい。結果を検証し、ダメならすぐにやり直す。こうした行動力を備える人材が求められるようになる」(鈴木氏)と述べました。
最後の「Technology(技術)」について鈴木氏は、「デジタルを活用できる人間力」の必要性を訴求します。「技術は今後、特別なものではなくなる。誰もが当たり前のように最新の技術を使うようになる。このとき大切なのは、デジタルやシステムと付き合っていく『人間力』だ。技術やデジタルの可能性を模索し、どう活用すべきかを自分で描ける力を養うべきである」(鈴木氏)と指摘します。社内の特定の人だけが人間力を養うのではなく、全社でデジタルを活用する風土を醸成することも大切だと続けました。

保守的思考からの脱却は「仕事の基本(型)」がカギ

 セミナー後半は、大学生2人の質問に鈴木氏に答える形式で進みました。
写真2:若い世代の代表として大学生2名がセミナーに登壇...

写真2:若い世代の代表として大学生2名がセミナーに登壇。鈴木氏に質問を投げていた

「なぜ、求められる人材像が変わるのか」という質問に対し、鈴木氏は「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」という言葉を引用します。鈴木氏は言葉の意味について、「世の中は絶えず変化し、栄えはずっと続かない。必ずいずれは滅びる。過去の歴史から見ても明らかだ。つまり、時代ごとに求められる人材も変わる。どんなに勢いが盛んな者でも必ず衰えることを意味する『盛者必衰』そのものである」(鈴木氏)と説明しました。変化を受け入れ、その変化に対応する人材が求められるようになるのは自明の理だと述べました。
「日本企業が保守的になってしまった理由は」という質問に対し、鈴木氏は「バブル崩壊後の『失われた30年』で日本人は自信をなくし、考えることを止めてしまった。さらにコミュニケーションが希薄化し、仕事の基本(型)が引き継がれなくなった。これらが日本企業を保守化させた主な要因である」と分析します。さらに保守的な考え方を解消する方策として、「仕事の基本(型)を若い世代を中心に教えるべきだ。コミュニケーションが希薄化しているため、文書で明文化するのが有効だ。最近の若い世代は、型のようなルールがある方が楽と考える傾向がある。であれば文書化は若い世代ほど効果的に機能するはずである」(鈴木氏)と指摘します。業務手順を示したマニュアルではなく、仕事の基本だけを記して応用できるような内容が望ましいといいます。

サロン形式の懇親会を開催

今回のセミナーでは、今後のセミナーの体制にも触れました。主催するデジタルシフトウェーブが新オフィスに引っ越したのを機にセミナーの内容を刷新。これまでのセミナーに加え、サロン形式の懇親会を定期開催すると発表しました。  懇親会は参加者の人材交流を図るのを目的とします。セミナー終了に懇親会を開催し、軽食や飲食をとりながらネットワーキングを実施します。参加者は20人程度に絞り、交流しやすいよう配慮。ビジネスの相談はもちろん、ビジネスのヒントとなる気づきを得ることもできます。場所は渋谷にあるデジタルシフトウェーブの新オフィス。同社 代表取締役社長の鈴木康弘ももちろん参加します。
なお懇親会は毎月1度の開催予定です。次回開催については追って紹介します。
懇親会の前に開催するセミナーも刷新します。名称をこれまでの「DX実践セミナー」から「DXセミナー」に変更し、よりDX推進に役立つ情報を届けられるようにします。原則としてゲストが登壇し、特定のテーマを深堀りします。  今後は新たにオフラインのセミナー参加者を募集する予定です。参加者は数名に限られますが、デジタルシフトウェーブのオフィス内にあるスタジオでセミナーを直接聴講できます。これまで通り、オンラインも継続開催します。
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