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DXセミナー

2022.10.12

デジタルに触れる機会創出が成長を後押し、スタッフのやりがいを生み出す環境づくりにも目を向けよ

日本オムニチャネル協会は2022年9月1日、EXをテーマにしたセミナーを開催しました。タイトルは「従業員体験の向上がDX人材を育てる」。日本オムニチャネル協会が新たに立ち上げた「EX部会」のリーダーやサブリーダー、さらには協会のフェローが登壇し、EXに取り組む必要性、DX人材の効果的な育成方法などを紹介しました。

当日のセミナーの様子を動画で公開しています。ぜひご覧ください。

協会の「EX部会」が人材育成を議論

 店舗を構える小売事業者を中心に、200社以上の企業が加盟する日本オムニチャネル協会。部会や分科会活動を通じ、会員同士がオムニチャネルやDXの課題や進め方を議論しています。2022年度は運営体制を刷新し、新たに「EX(従業員体験)部会を設立。顧客や店舗だけではなく、従業員の働き方ややりがい、満足度向上に向けた課題解決に乗り出します。

 今回のセミナーではEX部会のリーダーやサブリーダーが登壇し、これまでの活動内容を振り返るとともに、人材育成の課題などを議論しました。ここでは、登壇者によるディスカッションの様子を中心に紹介します。

 登壇したのは、EX部会リーダーの林雅也氏、サブリーダーの川邉雄司氏と大山広倫氏。日本オムニチャネル協会でフェローを務める矢嶋正明氏の4人。「DX人材不足 どう育てる?」をテーマに各自の考えや育成のポイントなどが提起されました。
写真:左から大山広倫氏、川邉雄司氏、矢嶋正明氏、モデレ...

写真:左から大山広倫氏、川邉雄司氏、矢嶋正明氏、モデレーターの林雅也氏

ECなどのデジタル事業への関わりが必要

 大山氏はDX人材の育成について、デジタルに触れる機会をつくることが大切だと訴えます。「多くの企業がDX人材不足に直面している。私が勤める船井総合研究所でも、DX人材不足を解消したいという相談が多い。そのためにはまずは、デジタルに馴染むことから始めるべきだ。デジタルを駆使した業務を覚え、その必要性を肌身で感じることが必要ではないか」(大山氏)と指摘します。一方で、「ただデジタルを使った業務に関わればいいわけではない。デジタルは手段であって目的ではない。デジタルで何を目指すのか。経営者はゴールやビジョン、さらには自社の強みをきちんと言語化し、何のためのデジタル化なのかを社内で共有することが大切だ」(大山氏)と述べます。

 矢嶋氏も大山氏の指摘に賛同しつつ、「まずは数字やKPIなどの指標を共通言語としてコミュニケーションできる土壌づくりから取り組むべきだ。数字がどんな意味を持つのか。数値が上下することでどんな影響があるのか、何を危惧しなければならないのか。数字を理解できるようになるのがコミュニケーションの前提だ。こうした土壌を育むことで企業や組織が成り立っていくのではないか」(矢嶋氏)と指摘します。

 小売業に限ると、人材をどう育てるのが望ましいか。大山氏はEC事業を活用すべきと提起します。「ECを展開する企業の多くが、ECを事業として独り立ちさせようと努力している。そこには当然、さまざまな課題がある。こうした現場を任せるというのも手だ。一度経験すれば覚えるし、本人のやる気を起こさせる契機にもなる。『任せる』ことこそ育成には有効な手段になるはず。その意味でEC事業は、多くの企業にとって人材育成に適する場になり得る」(大山氏)と指摘します。商品の登録、DBによる管理、決済システムなど、連の業務がデジタル化を前提するECこそ、DXやデジタルを経験させる上で有効だと言います。さらに、「音声をデータ化して管理・分析するコールセンター業務も、デジタル資産を有効活用する点において人材育成には向く業務である」(大山氏)と続けます。

 一方で川邉氏は、「接する」ことが育成には大切だと訴えます。「EC構築や運用、システム開発などの業務に従事する社員は顧客との接点が十分ではない。店舗を構える小売事業者であれば、顧客と接する機会の重要性に目を向けるべきだ。どんなニーズや変化があるのかを探ることも育成には有効だ。さらには、同じITツールを使う企業同士が集まるユーザー会などに積極的に参加し、意見を交わすのも手だ。どんな考えを持ち、どんなビジョンをイメージしているのかを『感じる』ことも必要ではないか」(川邉氏)と指摘します。

 矢嶋氏も、「店舗のスタッフは、お客様が喜ぶのを目の当たりにすることで成長する。例えば当社では、店舗スタッフがブログを通じて情報発信している。お客様から『この前、ブログを読みましたよ』と言われれば、次回はもっと役立つ情報、興味を引く情報を発信しようと思うはず。顧客接点は人材育成の点でも重要な取り組みだと考える」と、川邉氏の意見に同意しました。

 さらには、評価制度を見直すべきという声もありました。大山氏は、「スタッフの達成感を正当に評価する制度を整備すべきだ。人材育成と並行して評価制度も見直すことが必要である。スタッフの感情を刺激できるようになれば、カスタマーサクセス向上にもつながる」と指摘します。

 矢嶋氏も自社の取り組みを引き合いに出し、「ブログを使った店舗スタッフの情報発信は、会社の理解があってこその取り組み。こうした新たな取り組みをバックアップしたマネジメント層の功績でもある。現場が頑張ろうとする姿勢をどうサポートするか、どう評価するか。総合的な評価づくりが求められる。こうした環境を築くことが、現場の“活き活き”に直結する」(矢嶋氏)と述べます。

 川邉氏も現場のやりがいを生む出すべきと指摘します。「周囲を含め、スタッフを巻き込む力が現場を楽しくする。一体感を持って店舗をよくしようと取り組むことがスタッフのやりがいにつながるはずだ。そのためには、最適な人員配置も模索すべきだ。スタッフが望む仕事、やりがいを見い出す業務につけるような人事異動に踏み切ることも、企業は選択肢として持つべきだ」(川邉氏)と指摘しました。

ビームスが取り組む人材育成法とは

 セミナーでは、セビームス 執行役員 DX推進室室長 兼 マーケティング部でもある矢嶋正明氏が、「従業員体験の向上がDX人材を育てる」と題し、ビームスの取り組みも紹介しました。ビームスに関わるすべての人が幸せになる「Happy Life Solution Company」というミッションを掲げた経緯や狙いを説明。さらには、ミッション達成に向け、社会とどう向き合うべきか、会社としてどんな集団であるべきか、ビームスの社員をどう育てるべきかといった、目標となるビジョンにも触れました。

 社員育成の具体的な取り組みとして、「スタッフのメディア化」も例示しました。これは、現場スタッフが自ら情報発信し、旬なコンテンツを生み出す取り組み。セミナーではメディア化の目的や効果を紹介するとともに、オンラインの売上増加にも寄与している背景なども紹介しました。
日本オムニチャネル協会
https://www.omniassociation.com/

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