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2022.04.18

オムニチャネル推進に不可欠な「CX」「SC」「EX」、徹底的に議論して課題解決できる体制へ/日本オムニチャネル協会セミナー

日本オムニチャネル協会は2022年4月7日、DXマガジンと共催セミナーを開催しました。テーマは「業界の壁を超えた新しい価値の創造~小売業・メーカー・卸・物流・ITのデジタル共創への挑戦~」。3年目を迎える日本オムニチャネル協会は何を目指すのか。新たな価値を創出するため、どんな体制で臨むのか。セミナーには協会会長や理事のほか、活動主体となる部会/分科会のリーダーが登壇し、オムニチャネルの未来と今後の体制などを紹介しました。

顧客視点を重視する「CX部会」の役割

 新設した3つの部会は何に取り組むのか。セミナーでは各部会のリーダー、サブリーダーが活動内容を紹介しました。

 「CX部会」では、オムニチャネル時代の顧客との関係を整理、議論します。CX部会リーダーの郡司昇氏は部会の役割について、「新規顧客を獲得したい、既存顧客を守りたいといった課題に取り組む企業は少なくない。しかし、その手段として『どんなITツールを使うべきか』ばかり議論するケースが目立つ。手段ではなく、顧客である生活者にもっと目を向けるべきだ。生活者は何を望んでいるのか、何を好むのかといったテーマを突き詰めることが顧客獲得につながる。CX部会では顧客を呼び込む手段より、生活者としての視点を重視することに主眼を置く」(郡司氏)と言います。会員企業や団体の視点、ITベンダーの視点、学術者の視点などを加味し、CXはどうあるべきかを議論していく考えです。さらに、「メタバース」や「Web3.0」といった最新動向や海外のCX事例などの理解を深め、CXを俯瞰して捉える取り組みも進めます。
写真:CX部会リーダー 郡司昇氏

写真:CX部会リーダー 郡司昇氏

 CX部会内の分科会である「顧客接点分科会」にも触れました。分科会ではオムニチャネル時代の顧客接点はどうあるべきかをテーマに、顧客接点の定義や役割、果たすべきこと、必要な要素などを議論します。CX部会サブリーダーの亀卦川篤氏は、「これからの顧客接点は、いい意味で顧客の期待を裏切らなければならない。従来の顧客接点の概念は通用しないと考えるべきだ。そこで分解会では、顧客の期待を裏切る、CXを最大化するための取り組みに主眼を置く。データや商品、売場、リアル、オンラインなどのテーマごとの顧客接点を定義、策定していきたい」と意気込みます。
写真:CX部会サブリーダー 亀卦川篤氏

写真:CX部会サブリーダー 亀卦川篤氏

 「ロイヤルティマネジメント分科会」の活動内容にも触れました。分科会では、自社もしくは自社商品などのファンづくりどうマネジメントするかをテーマに、どんな手法を用いるべきかなどを議論します。CX部会サブリーダーの渡部弘毅氏は、「CXでは顧客接点やLTVを考えることが少なくない。しかし、これらを具体的にどう進めるべきか、進捗をどう可視化するかなどの管理がおろそかになりがちだ。こうした管理の仕組みや手法に目を向けるのがロイヤルティマネジメント分科会の役割である」と言います。ファンやロイヤルティを定義するほか、ファンづくりを進める施策のKPI、LTVの評価の仕方、カスタマーサクセスやエンゲージメントなどとの関係整理などに取り組みます。
写真:CX部会サブリーダー 渡部弘毅氏

写真:CX部会サブリーダー 渡部弘毅氏

サプライチェーンの全体最適目指す「SC部会」の役割

 「SC部会」では、流通の川上から川下までの視点で全体最適のサプライチェーンを議論します。リーダーやサブリーダーが議論を進めるほか、協会のフェローや専門家を招き、ディスカッションでテーマを掘り下げる活動を進めます。SC部会リーダーの逸見光次郎氏は部会の役割について、「オムニチャネルが加速すれば、今後は消費者が求めるものを適正なタイミングで適正量だけ作って届ける仕組みが必要になる。いつどれくらい原材料を調達するか、生産するか、在庫を抱えるべきかなどを緻密に管理しなければならない。そのためにはサプライチェーンを全体最適し、モノの流れを可視化しなければならない。オムニチャネル化成功のカギはサプライチェーン構築に他ならない」と強調します。
写真:SC部会リーダー 逸見光次郎氏

写真:SC部会リーダー 逸見光次郎氏

 SC部会内の3つの分科会についても説明しました。SC部会では「商品開発/生産管理分科会」「配送効率化分科会」「商品マスタ分科会」の3つの分科会を用意。サプライチェーンを全体最適する上で欠かせない3つのテーマについて議論する場を設けます。「商品開発/生産管理分科会」の役割についてSC部会サブリーダーの小橋重信氏は、「モノがたくさん売れても倉庫に大量の在庫を抱えていては意味がない。これからのオムニチャネルは生産量や在庫量も最適化を徹底追求しなければならない。実店舗だけではくECも展開すれば最適化はより難しくなるが、現状の管理手法にメスを入れなければサプライチェーンの全体最適は成し得ない」と指摘します。そのためには「現場を把握することが何より大切だ。分科会では座学にとどまらず、現場視察を通じて課題や気づきを得ることにも取り組む。有効な配送方法や在庫の管理方法などは、現場の実態に即した上で議論を深められるようにしたい」(小橋氏)と言います。
写真:SC部会サブリーダー 小橋重信氏

写真:SC部会サブリーダー 小橋重信氏

 サプライチェーンの全体最適を図るにあたり、SC部会サブリーダーの齊藤孝浩氏は商品マスタの重要性を指摘します。「『商品マスタ分科会』では、商品マスタを業種/業界別に整理し、サプライチェーンに関わる各社が共通の商品マスタを利用できる仕組みづくりを議論する。これまでは自社内でも商品情報が散在し、商品名すら統一していない商品DBを運用するケースもあった。これからの商品マスタは、こうした不統一を排除するのはもとより、顧客の視点で必要な情報が登録されているかを重視すべきだ。消費者がECサイトなどで商品の在庫を調べることを想定し、消費者が購入時にチェックする項目を登録情報として網羅すべきだ。顧客が使える商品マスタ構築こそ、オムニチャネル時代に不可欠な取り組みである」(斎藤氏)と指摘します。
写真:SC部会サブリーダー 齊藤孝浩氏

写真:SC部会サブリーダー 齊藤孝浩氏

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