Ideinは2021年6月1日、店舗向けAI搭載カメラ「ミルシル」を発表しました。来店者の人数や性別などをカメラで把握し、店員配置の最適化や施策の効果検証などに役立てられるようにします。同日より提供を開始します。
「ミルシル」は、デバイス側でAIを動作させるエッジAIを盛り込んだカメラ。デバイスは置き型のため取り付け工事不要で、ネットワークを設定するだけで使い始められる手軽さが特徴です。セットアップ用のQRコードを読み込み、手順に従って設定するだけで初期設定を終えられます。
via idein.jp
主な用途は、店舗来店者の属性分析。来店する人の性別、年代、人数をAIが識別し、事業主はスマートフォンを使って来店者の状況を確認できます。例えば、「来店したけど買い物しなかった人はどれくらいいるのか」「実施したキャンペーンのターゲット層に合う年代・性別の人がどのくらい来店したのか」などを把握するのに役立ちます。POSデータだけでは読み取れない来店者の行動を知りたいといった用途に向きます。
時系列で来店者数も確認できることから、店舗スタッフをどの時間に増やし、どの時間に減らせばよいのかといった人員配置を最適化する用途にも使えます。そのほか、カメラの映像をリアルタイムに確認することも可能です。映像は最大30日間保存し、過去の映像を参照することもできます。
ミルシルを開発した経緯について、同社代表取締役CEOの中村晃一氏は、「多くの企業がDXを推進しようと試行錯誤するが、PoC(実証実験)実施後に事業としてスケールするケースはわずかだ。こうした状況を変えたかった。当社が持つエッジAIやIoTの知見・ノウハウを活かし、店舗のDXを支援したいと考えた」と言います。同社は人材不足や運用コスト増大、さらにはシステム導入リードタイムの長期化などといった課題解決に乗り出す考えです。
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料金は、AI解析機能がないカメラのみを利用する場合、月額料金は2877円から。AI解析機能を備えるカメラを利用する場合の月額料金は3899円からです。
同社は今後、屋外用やCO2センサー搭載モデルといったラインナップ拡大も検討します。カメラを管理するアプリも「万引きの検知やPOSレジとのデータ連携を検討する。製造現場やコンシューマ向けサービスとしての展開も視野に入れる」(中村氏)と言います。