ITエンジニアの“35歳定年説”崩壊、paizaが転職動向の調査結果発表

　paizaは、ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム事業を展開しています。オンラインでのプログラミングテスト「paizaスキルチェック」を受験してスキルを証明し、それを使って転職・就職できるようにする独自のサービスを提供しています。 　その中で「paiza転職」は、ITエンジニアのスキルを可視化し、実力重視で企業とマッチングできるようにする、ITエンジニア向け転職に特化したサービスです。 　ITエンジニアについては、「35歳定年説」が久しく語られてきました。その要因には、以下のようなものがあります。 ・「体力問題（長時間残業や徹夜業務の存在）」
・「キャリアパス（管理職以外のパスがない）」 　今回paizaでは、そうした説を踏まえ、実際にpaiza転職に登録する40歳以上のITエンジニアの転職動向について調査しました。 　まず、paiza転職を利用して企業に応募したITエンジニア全体に占める、40歳以上の割合の変化を示したものが次の図です。paiza転職がスタートした2013年から2021年までを追っています。40歳以上の応募者の割合は、8.3％から15.7%と、2倍程度に増えています。

　また、paiza転職を利用して企業に応募し、採用されたITエンジニア全体に占める、40歳以上の割合を表したものが次の図です。2013年は、応募者はいたものの採用者はゼロでした。しかし、2021年には16.4％まで増加しています。

　次に、エンジニアの年代別の年収構成比を表したものが次の図です。2019年から2021年までの3年間に、paiza転職を通して採用されたエンジニアの年収について、年代別に示しています。それによると、40代以上では16.7％が年収「700万円以上」となっています。20代（1.5％）、30代（10.0％）よりも評価されていることが分かります。

　転職の際には、具体的にどのような経験が評価されているのでしょうか。転職前にどのような経験を積んでいたのか、経験項目の保有者の割合をまとめたものが次の図です。2019年～2021年の3年間にpaiza転職で採用された人材を20代、30代、40代以上に分け算出しています。

　これによると、paiza転職で転職したエンジニアは、年代を問わず、Web開発などのシステム開発経験や技術スキルが評価されています。その中で40代以上の特徴として、特に以下が挙げられています。 ・AI、機械学習、画像解析など将来的な商業化に向けての基礎研究を行う「研究開発」（21.4％）
・「PM（プロジェクトマネジメント」（57.1％）
・「マネジメント」（51.8％） 　これらはいずれも、30代と比べて経験者が2倍以上の割合と高くなっています。ここでマネジメント経験が評価されているのは、「技術力＋エンジニアのマネジメント力を持つプレイングマネジャーとしての評価」となっているようだと、同サイトの転職事例から推察されています。 　さらに、「マネジメント経験」が年収へ与える影響が分析されました。2019年～2021年の3年間にpaiza転職経由で採用された40歳以上のITエンジニアについて、以下のことが明らかになりました。 ・マネジメント経験が3年以上ある人は、マネジメント経験が3年未満の人と比べて、年収700万円以上の割合が1.6倍