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コラム

幅広い分野に興味を持ち、相手との共通点を見つけ出せ!

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初対面の人と良好な関係を築きたい。こう考えるなら、自身の興味の対象をどれだけ広げられるかに目を向けるべきです。さまざまな分野に興味・関心を持つことで、相手との共通点を見つける可能性を高められます。では、興味の幅をどのように広げるべきか。自身の外交力を左右する興味の幅について考えます。【週刊SUZUKI #136】

周囲の人と良好な関係を築くときに最初に取り組むべき「自分自身の理解」。自分は何に興味・関心を持っているのかを洗い出し、周囲にきちんと説明できるようにすることが人間関係構築の第一歩です。

もっとも、何に興味があるのか、関心を持っているのかを把握するだけでは不十分です。このとき大切なのが、興味の「幅」です。つまり、興味を持っている分野の「数」がどれだけあるのかを把握し、その幅をさらに広げようと取り組むことが、良好な人間関係構築には不可欠です。「数」を増やそうとする姿勢が、あなたの外交力を向上させるのです。

ではなぜ、興味の「幅」を広げることが外交力向上に寄与するのか。それは、相手との「共通点」を見つけることで心理的距離を縮められるようになるからです。とりわけ初対面の場合、人は相手に対して壁を作りがちです。相手がどんな人なのか分からないゆえに、警戒心を抱きがちです。これらを取り払うきっかけとなるのが、お互いの「共通点」です。もしあなたがたくさんの分野に興味を抱いていれば、相手が話すテーマで会話をさらに盛り上げられるようになるかもしれません。例えば、相手がITの話をしたときにITに興味を持っている、政治の話をしたときに政治に興味を持っているとしたら、共通のテーマで会話を深められるようになります。共通のテーマで会話を膨らませられるかどうかが、のちの良好な関係構築の可否を左右するのです。

特に近年は、社会が複雑化し、人の考えは多様化しています。特定分野の知識を持っているだけでは必ずしも通用しない時代に突入しています。ビジネスに限れば、異なる業界の動向さえ把握することが求められるようになっています。日本経済はもとより、海外の動向や情勢にも目を向かなければなりません。自社には関係ないと思われる最新テクノロジーの動向さえ追い続けることが必要です。こうした時代に追随するためにも、多角的な視点を養うことが不可欠です。興味の「幅」を広げようと努力しなければ、自社の競争力は失われるし、何より多くの人との人間関係も構築できなくなってしまうのです。

興味の「幅」を広げる取り組みは決して難しくありません。普段読まないジャンルの本に触れるだけでも十分です。自分の専門外のトレンドや話題のニュースを意識的に読むようにするのも有効です。これまで接点のない異業種交流会に参加したり、話す機会のなかった人と積極的に交流したりすれば、自身にはない興味の「幅」を容易に広げられます。好奇心を持ち、これまで気にしなかったことに目を向ける姿勢が、「幅」を徐々に広げるのです。

初対面の人と話す機会があったら、ぜひ興味の「幅」で勝負してください。これまで培った「幅」を武器にしてください。あなたの興味の「幅」が、相手の警戒心を解きほぐします。「いろいろな話ができそうだ」と相手に思わせ、きっと会話は弾みます。その結果、相手はあなたに興味を抱き、良好な関係を築けるようになります。この過程を踏む最初のステップが、興味の「幅」を広げることなのです。さまざまな分野にアンテナを張り、それらを理解しようとする努力を惜しまないでください。新たな分野に興味を持ち続ける姿勢が、あなたの外交力を支える土台となるのです。

【外交の心得 その13】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

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