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コラム

興味の幅と深さを掛け合わせた「広さ」を伸ばす努力を怠るな!

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興味や関心を持つ分野は、多いだけでは良好な人間関係を築けません。特定分野だけ深く理解するだけでも築けません。周囲との関係を築きやすくするには、興味の「数」と「深さ」の双方に目を向けることが大切です。その掛け合わせが「広さ」です。ここでは、興味や関心の「広さ」を伸ばすことの大切さについて考えます。【週刊SUZUKI #138】

「自分が何者なのか」を相手に明確に伝えるには、関心を寄せるジャンルの数「興味の幅」とそのジャンルの背景や経緯「興味の深さ」に目を向けることが大切です。このとき、どちらか一方だけに注力すべきではありません。幅と深さをバランスよく広げるようにします。つまり、双方を掛け合わせた「興味の広さ」がどれだけ大きいかが、相手の理解度を左右するのです。

「興味の広さ」は「興味の幅」×「興味の深さ」と同義で、グラフの面積のように示すことができます。例えば横軸をジャンルの数、縦軸を興味の深さにすれば、その面積を容易に算出できます。面積が大きければ大きいほどあなたの興味は広く、相手はあなたに対して共感しやすくなります。

「興味の広さ」をバランスよく拡大する努力を怠らないことが、外交において極めて重要です。なぜなら、幅広いジャンルに深く精通している人ほど、より多くの人との接点を見つけ出し、深いレベルで共感し、学び合う関係を築くことができるからです。

例えば、あなたがITの専門家であり、その分野の歴史に詳しい(深い知識)とします。さらに、政治や経済、社会、教育、流通といった様々な分野にもアンテナを張り(幅広い興味)、それぞれの分野の歴史的経緯やトレンドを把握していれば、どんな相手との会話でも対応できる柔軟性が生まれます。初対面の相手であっても、相手の興味マップを想定し、あなたの「広範な興味」の中から共通点を見つけることで、あっという間に心理的距離を縮めることができるでしょう。

バランスの取れた「興味の広さ」を育むためには、日々の「学び」と「自分磨き」を怠らないことが不可欠です。「仕事が忙しい」は言い訳にしかなりません。どんなに忙しく、勉強する時間をなかったとしても1日30分だけでも勉強し続けるべきです。この継続が1年後には180時間、5年後には900時間の努力となるのです。この積み重ねこそ興味を広げるには不可欠です。1日30分という時間は、新聞や本を読んでもよいでしょう。様々な人と交流したり、新しいことに挑戦したりしても構いません。これらすべてが、あなたの興味の幅と深さを広げ、結果として「興味の広さ」を増大させるための行動であることを自覚すべきです。

自分の興味の「面積」を最大化するよう、常に学び続け、挑戦し続けること。この努力こそが、あなたの人間としての魅力を高め、あらゆる外交場面での成功を呼び込む確かな力となるのです。

【外交の心得 その15】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

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