トヨタ自動車と名古屋大学発スタートアップのアイクリスタルが、3Dデジタルツインと数理最適化で工場内センサ配置を自動探索するアルゴリズムを共同開発しました。Telemotionの測位精度を保ちつつ台数と工事コストを抑え、設計工数の削減を目す取り組みです。
Telemotionとは?工場内の無人物流を支える「測位」とその課題
Telemotionはトヨタが開発し、2022年から実用化している車両遠隔制御自律走行搬送システムです。プレスリリースによれば、このシステムは工場内での無人物流を実現するために、床上や天井などに設置するインフラセンサを用いて車両の測位(位置特定)を行っています。工場の量産ラインで車両を安定して自律走行させるには、正確な位置情報が不可欠であり、そのためのセンサ配置は安全性や運用性に直結します。工場内には設備や柱、作業者の往来といった多様な障害物が存在するため、どこに何台のセンサを置くかで測位精度や導入コストが大きく変わる点が課題でした。
今回の共同開発は、トヨタの量産工場を忠実に再現した3Dデジタルツイン上で、アイクリスタルの数理最適化技術を使い、センサ配置を自動探索するアルゴリズムを実装した点が特徴です。デジタルツイン上で多数の配置パターンを網羅的に評価し、測位精度や安全基準、工事コストといった制約を満たす最適解を提示します。従来は人手で組み合わせを検討していたため工程設計に膨大な工数が発生していましたが、この自動化により設計時間とコストを削減し、担当者はより付加価値の高い業務に注力できるようになります。
リリース中のコメントでも、トヨタの岩堀氏はデジタル空間での最適化が安全性と迅速な対応に貢献すると述べ、アイクリスタルの髙石氏はプロセスインフォマティクスとトヨタのプロセス開発力の融合が実装・展開を加速するとしています。開発したアルゴリズムはセンサ台数や工事コストを抑えつつ安全性を確保し、他ラインへの展開も容易にするため、製造現場のDXを実務ベースで前進させる可能性高いといえます。
デジタルツイン上での自動探索は、設計段階の時間とコストを削る即効性のあるDX施策です。産学発の数理技術と現場ノウハウの組合せが、工場の実運用に直結する改善を生み出しています。
詳しくは「アイクリスタル株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















