岐阜のオルタナティブスクール『学藝の森CoE』で見えた課題から生まれた挑戦です。スマイルバトンとG‑netは11月から、21名の子どもが通う場の隣で、保護者が付き添い時間に働ける新しい就労支援モデルを始めました。
地域企業と連携する「付き添いながら働く」仕組み
学藝の森CoEは2025年4月に岐阜市で開校し、小学1〜5年生の21名が通うオルタナティブスクールです。公立に近い経済負担で通える運営をめざし、余剰利益や寄付を活用した持続可能な教育モデルを構築しています。しかし、通える場が増えても、子どもが安心するまでは保護者の付き添いが続き、就労が困難になる現実がありました。文部科学省の調査では全国で35万人超が不登校とされ、岐阜市でも1,000人以上の小中学生が学校に通えていないことが背景にあります。
この課題を受け、スマイルバトンはG‑netと連携し、地域企業と共に「付き添いながら働ける」仕組みを作りました。スマイルバトンが地域企業の広報PR業務を一括受託し、専任コーディネターが保護者とのマッチング、研修、納品管理を担当します。保護者とは業務委託契約を結び、学藝の森CoEに隣接したスペースを就労支援拠点に整備。城山、エネファントを含む3社の参画表明を得て、11月から本格運用を始めます。短時間で完結するデザイン、SNS運用、ライティング、事務支援などの業務を提供し、付き添いの時間を無理なく収入に結び付ける設計です。
G‑netはインターンシップや副業など越境機会の提供や企業の組織変革支援の実績があり、地域の共感を得た企業とともに第一歩を踏み出しました。スマイルバトン側は専任コーディネーターによる研修や品質担保の体制を整えることで、保護者のスキル向上と企業ニーズの両立を図ります。将来的には付き添い期間終了後の就業やキャリア形成まで見据え、支援領域を拡大していく方針です。
ただし運用には課題も残ります。業務委託と雇用関係の整理、報酬や品質管理、保護者の孤立防止といった実務面の調整が必要です。スマイルバトンとG‑netは参加企業を増やしながら、地域全体で子どもが安心して学び、保護者が働ける場を共創していく考えです。
地域発の実践が、保護者の働き方と子どもの学びを同時に支えるモデルになるか注目されます。まずは11月の稼働で手応えを示すことが重要です。
詳しくは「特定非営利活動法人スマイルバトン」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















