がん患者向けアプリ「ハカルテ」が、使用中の抗がん剤や放射線部位に応じて「よく出る症状」と「血圧の注意文」を自動表示する新機能をリリースしました。日常の不安を和らげ、診察での伝達を効率化する狙いとは何かを解説します。
機能の中身と狙い
株式会社DUMSCOは2025年10月29日、がん患者サポートアプリ「ハカルテ」に治療内容に応じた「よく出る症状」と「血圧の注意文」表示機能を追加したと発表しました。ハカルテは2024年7月にリリースされ、体調や服薬の記録を簡便に行える点が特徴のアプリです。今回のアップデートでは、ユーザーが登録した抗がん剤や放射線の照射部位に基づき、出現頻度の高い症状を自動で抽出して画面上部に一覧表示します。これにより、患者は自分の治療で出やすい症状を事前に把握でき、症状出現時の心理的負担を軽減できます。
さらに、抗がん剤の中には高血圧を起こしやすい薬剤があることを踏まえ、該当薬使用時は「血圧の注意文」を表示し、主治医に相談すべき目安値を知らせます。表示はあくまで目安であり、最終的な医療判断は主治医が行う旨を明記している点が重要です。DUMSCOはユーザー調査で「何が出るか分からず不安出た症状が問題か判断できない」といった声を受け、本機能を開発したと説明しています。UIは操作の手間を減らすために一覧をページ上部に常時表示する設計で、日々の記録や診察時の情報伝達をスムーズにします。
今後は健康アドバイス機能や医療従事者との相談機能の追加も想定しており、ハカルテはQOL向上を目指す継続的な改善を掲げています。患者の自己管理支援と医療連携の橋渡しを目指すこの取り組みは、治療生活の不安を減らし診療の効率化につながる可能性があります。DUMSCOのミッションは「持続可能なパフォーマンスをデザインする」であり、本機能はその実践と言えます。
詳しくは「株式会社DUMSCO」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
