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「100円の店」から「価値ある雑貨店」へ。1.1兆円市場を支える中価格帯商品の躍進

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国内の100円ショップ市場が拡大を続け、2025年度は約1兆1100億円規模となる見込みです。大手4社が中心となり、3年連続で市場規模が1兆円を超えました。節約志向の継続に加え、DIYやアウトドア、機能性キッチンツール、美容関連といった高付加価値商品の伸長が寄与しています。中価格帯商品の拡充が奏功し、価格に依存しない価値提案が広がっています。市場拡大の裏側では、円安や原材料高騰の影響が強まっており、収益構造の見直しと業態間の境界の曖昧化が進行しています。プレスリリース元会社名の分析は、業界の二極化と収益強化の動きが同時進行していることを示しています。

2025年度の市場規模と伸び率 大手4社主導で底堅い需要が継続

2025年度の市場規模は約1兆1100億円で、事業者売上高ベースの見込みとなりました。3年連続で1兆円超えとなり、低価格日用品の安定需要に加え、エントリーモデルとしてのガーデニングやDIY、アウトドアの浸透が背景にあります。成長率は前年度比2.7%増で、前年度の6.8%からは鈍化しましたが、2016年度の7369億円と比較すると約1.5倍の規模に拡大しました。市場のけん引役はダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツの大手4社で、幅広い価格帯と商品ジャンルの拡充が成長を支えています。ワンコインのイメージにとどまらず、日用から趣味領域までカバーする構成により、幅広い層の需要を取り込んでいます。コスト上昇環境下でも、仕入れやオペレーション効率の最適化で利益確保を図る姿勢がみられます。

店舗網は10年で約3000店増 小型店も含めた多様な出店が加速

店舗数は2026年3月末時点で大手4社合計約9400店が見込まれ、前年度から200店以上増加しました。10年前と比べて1.4倍、約3000店の純増です。郊外のロードサイドやショッピングモールの大型店に加え、近年は食品スーパー内など延床面積の小さい極小店舗の展開が進んでいます。年間100店を超える出店ペースが続いており、生活動線に密着した利便性の高い立地が広がっています。他方で、中小や地場の店舗では原材料価格の高騰などにより、単独で「100円」を維持することが難しく、店舗網の縮小や撤退が散見されます。大手と中小の二極化傾向は鮮明で、規模や調達力の差が収益力の差として表面化しています。コスト環境の厳しさが続く中、継続的な出店と既存店の最適化が重要度を増しています。

「脱・100円」で中価格帯が拡充 客単価と粗利の改善を志向

価格の安さに加えて、品質やデザインの見直しが進み、DIYやアウトドア、機能性家事グッズ、美容グッズ、文具・手芸などで商品力が高まっています。とりわけ、コロナ禍以降に広がったアウトドア人気を取り込み、専業メーカー品に比べ手に取りやすいエントリーモデルとしての地位を築きました。150円から500円のミドルからハイプライス商品のラインナップが強化され、100円以外の高額比率を高める「脱・100円」戦略が進展しています。背景には、海外生産依存に伴う円安影響や、原油高に伴う素材価格の上昇があります。大手はスケールメリットを活かした原価抑制に加え、セルフレジの導入など自動化と省人化でローコストオペレーションを推進しています。これにより、客単価の引き上げと粗利益率の改善を同時に狙う動きが強まっています。

プチプラ雑貨との競合と業態の境界曖昧化 今後の注目点

価値提供型ブランドへの進化が進み、300円から500円帯のオリジナル商品が拡大するなか、プチプラ生活雑貨との競合が強まっています。300円を軸にした専門店や、500円以下の雑貨を強化するブランドなど、デザインとコストの両立に優れた競合が少なくありません。100円均一売場に特化し、100円の価値を高める戦略を採る企業もある一方で、価格からの脱却を図る戦略との棲み分けが進んでいます。課題は、価格以外の納得できる価値をどのように提示するかにあります。円安や素材高が長期化するなかで、低価格モデルの持続可能性が問われており、地場・中小では独自性の強化や再編の可能性も指摘されています。高付加価値化と効率運営を両輪に、収益性と顧客満足の両立を図る取り組みが、今後の業界動向に大きく影響します。

詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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