MENU

さらなる飛躍を遂げるために「成長の心得」を身に付けよ!

  • URLをコピーしました!

諸外国と比べて低迷する日本。日本をさらに飛躍させるため、私たちはどんな術を身に付けるべきか。デジタル化が加速し、働き方が多様化する中でも成果を出すためにはどんな努力が必要か。ここでは「成長」をキーワードに、日本を取り巻く現状と私たちに必要な考え方、姿勢について考えます。【週刊SUZUKI #60】

「成長」。

人は生涯を通じ、この言葉とともに歩み続けなければなりません。理想を追求し、昨日より今日、今日より明日といった姿勢で進化し続けることが望まれます。どんなときも自分を支える力、それが「成長」という言葉には込められているのです。

しかし今、多くの社会人がその歩みを止めつつあります。お金を稼ぐための手段と仕事を割り切り、上司から言われた作業を淡々と片付けるだけの人が増えています。そこに自分の意志やアイデア、創意工夫はありません。仕事に対するモチベーションもありません。機械のように毎日働き続け、毎月の給料さえもらえれば十分と考える人で溢れています。

ではなぜ、成長への歩みを放棄する人が増えてしまったのでしょうか。

日本と世界との“差”からその背景を探ることができます。IMF(国際通貨基金)が発表した世界のGDPランキング(2024年)によると、日本のGDPは4兆2861億ドルで全体の4位に位置しています。日本はかつて、1968年には2位、2010年には3位に位置していましたが、最新のランキングではドイツに抜かれて4位に転落したのです。成長率に限れば、上位10カ国の中で唯一の1%台(1.3%)にとどまります。

図1:世界GDPランキング(2024)(出典:IMF)

さらに、GDPを人口で割った「一人当たりGDP」を見ると、日本は3万4555ドルで全体の37位です。1位のルクセンブルグ(14万308ドル)とは10万ドル以上、約4倍もの差があります。日本の一人当たりGDPのランキングはかつて、1988年と2000年では2位でしたが、この20年余りで37位まで急落したのです。

図2:一人当たりGDPランキングと世界幸福度ランキング(出典:IMF、SDSN)

この結果から分かる通り、日本全体で成長への歩みは止まりつつあります。諸外国の勢いとは裏腹に、もはや衰退という言葉さえふさわしくなりつつあります。とりわけ一人当たりGDPは少なく、日本の生産性が諸外国と比べて低いのは明白です。日本では今、働き方を見直して残業時間を減らす機運が高まりつつあるが、そのためには、大きな成果を短時間でどう生み出すかも同時に考えなければならないのです。

なお、国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が発表した「World Happiness Report」という世界各国の幸福度をまとめた報告書によると、日本のランキング(2023年)は47位でした。一人当たりGDPランキングで上位を占める国々の幸福度ランキングは軒並み高く、生産性の高さと幸福度は比例関係にあることが推察できます。より幸せに暮らすためにも、生産性向上は喫緊の課題として取り組まなければならないのです。さらに、生産性を大きく引き上げるためには、私たち一人ひとりの成長が何より欠かせないのです。豊かで幸せになるためにも、成長への歩みを放棄してはならないのです。

しかし現実は、日本人の成長意欲が極度に欠如していると言わざるをえません。総務省が2022年8月に発表した「社会生活基本調査」によると、「学習や自己啓発、訓練(学業以外)」に費やす平均時間は、20~24歳で20分、25~29歳で14分、30代で9分、40代で8分、50代で7分にとどまります。学校を卒業して社会に進出してから、社会人がいかに「学び」を怠っているのかがデータから読み取れます。世界に目を向ければ、社会人になってから大学で学び直すケースは珍しくありません。「人は一生涯学び続ける」という世界的な考え方と大きく乖離しているのが日本人の実状なのです。

図3:学習・自己啓発・訓練(学業以外)に費やす年代別平均時間(出典:総務省「社会生活基本調査」)

私たちを取り巻く環境は今、まさに変わりつつあります。終身雇用や年功序列といった旧来の考えは消え去り、多様化する働き方に合わせた雇用形態が定着しつつあります。“会社に守られる働き方”から“自己責任を負う働き方”の時代に突入したといってもよいでしょう。こうした時代に成果を出し続けるためには、会社というブランドや肩書きを頼らずに自分自身が成長して成果を手繰り寄せるしか手はありません。成長し続けない限り、これからの時代は生き残れないのです。

では、成長するための術を知らない人は今後、何に取り組めばよいのか。どんな気持ちで成長意欲を掻き立てればよいのか…。

そこで「週刊SUZUKI」では、成長するための術を知らない人向けに、“成長の極意”を次週から1つずつ解説していきます。題して「成長の心得」です。私たち一人ひとりが成長する上で忘れてはならない考え方や姿勢を30個の「心得」として整理します。

これからの時代をどう生き抜くか…。この答えを導き出すヒントを「成長の心得」に詰め込みます。自分を成長させる糧として、次週以降の「週刊SUZUKI」を参考にしていただければ幸いです。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 株式会社デジタルシフトウェーブ

メルマガ登録

メールアドレス (必須)

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる