成長するためには何が必要か。その答えの1つが「行動」です。行動を伴う場合と伴わない場合で成長はどう変わるのか。行動することで具体的にどんな教訓を得られるのか。成長に行動が求められる理由について考えます。【週刊SUZUKI #71】
人はさまざまな経験を積み重ねることで成長します。経験の一つひとつが糧となり、これまで持ちえなかった教訓や知識、ノウハウをもたらしてくれるのです。
もっとも、経験を積み重ねるには行動が不可欠です。当たり前のことですが、行動を起こさない限り経験を積めないし、教訓や教訓も得られません。にもかかわらず、毎日をただ暮らしているだけで成長できると思い込んでいる人が目立ちます。自ら行動を起こさなければ、何の成長も見込めません。
興味や関心のあることを自ら調べるだけでも構いません。分からないことを周囲の仲間に聞いたり相談したりするだけでも結構です。気になったことを放置せず、何かしらのアクションをすぐ起こすことが大切です。「まぁいいか」などと後回しにする習慣が身に付いている人ほど、大きな成長を見込みにくくなります。積極的に行動できるかどうかが、成長に大きく左右します。
しかし中には「行動しても無駄になるだけ」と考え、行動することに消極的な姿勢を示す人もいるでしょう。「結果なんて到底得られない」と考えてしまうのかもしれません。しかし、たとえ結果を得られなくても、その行動は必ず自身の糧になります。結果だけに目を向けず、どんな行動を起こしたのかという過程に意味を見い出すべきです。主体的に行動を起こしたこと、そのものに価値があるのです。
なお、頭の中でいろいろ考えるだけでは行動と呼べません。具体的に自らの手足を動かし、人と会話することで初めて行動となります。この行動を起こすのに準備は必要ありません。時間もかかりません。思い立ったその瞬間から起こせるのが行動です。逆に「ちょっと待って」と躊躇えば、成長する機会を失うことにつながりかねません。
行動することは、あなたに大きな自信をもたらします。仕事で積極的に行動すれば自信もつきます。仕事を楽しいとさえ感じられるようになるでしょう。その楽しさが、次の行動を自然と起こさせてくれるようになります。こうしたサイクルが回り出したとき、一つひとつの行動があなたを成長させてくれるのです。
筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任