2024年6月に実施されたアドバイザーナビ株式会社による「FXのおすすめに関するアンケート調査」の結果を紹介します。この調査には63名が参加し、FX取引に関する実態や知識習得、取引スタイルについて包括的なデータが収集されました。本記事では、その調査結果をもとに、FX取引の現状や投資家の傾向について探ります。
調査対象は東京都内に居住する63人で、調査はインターネットを通じて行われ、期間は2024年6月6日から20日までです。結果から見えるのは、FX取引を行っている人々の職業や取引経験、学習方法、失敗体験、モチベーション維持の方法など、多面的な情報です。
調査の結果、FX取引を行っている参加者の多くが「会社員」であり、全体の60.3%を占めています(図1)。次に多いのは自営業者で23.8%、主婦・パートが11.1%と続きます。この結果からもわかる通り、FX取引は会社員だけでなく、自営業や主婦といった多様な層によって行われていることが明らかになりました。また、特に主婦層が増加していることは、投資への関心が広がっている現れと捉えられます。
FXの取引経験に関して、最も多かったのは「1年以上3年未満」で39.7%、次いで「5年以上」が36.5%という結果が出ています(図2)。このデータは、FX取引を行っている人々が中級者以上が多いことを示しています。こうした経験が豊富な投資家が数多く参加しているため、より多角的な視点から意見を集めることができました。
FX初心者が知識を習得する際の方法としては、YouTubeやセミナーが48.4%を占め、最も人気があることがわかりました(図3)。次いで豚肉やテキスト、ネット記事を利用する人も多く、情報の受け取り方が多様化していることを示しています。特に動画配信サービスの人気は高く、視覚的に学んでいくスタイルが主流であることが伺えます。
実際に取引スキルを習得するための方法としては、「実際に取引する」と「デモトレードをする」といった実践型の学習が40.4%と36.8%で多く寄せられています(図4)実体験を通じて学ぶことがスキル向上に寄与していると考えられます。
調査では、FX初心者がよく犯す失敗として「適切な売買タイミングが分からない」「欲を出して損失が出るまで取引した」「注文方法を間違えた」といった声が多く見られました(図5)。特に「損失が出た後に気づく」というパターンは、リスク管理の重要性を強調しています。また、初心者には事前に十分な知識を身につけることが大切だと伝わってきます。
FX取引を続けていく中でのモチベーションを維持するための方法も多岐に渡ります。調査結果では、「少額投資・長期運用を軸にしてコツコツ稼ぐ」が最も高く、他には「投資目的を明確化」や「実現可能な範囲で目標を設定」といった具体的なプランを持つことが多くの投資家によって支持されています(図6)。また、SNSで成功体験を見て自分も同じように稼ぎたいと考える人も多く見られます。
最もおすすめされていたFX口座会社は「GMOクリック証券」で、41.3%の支持を集めました(図7)。この会社の選ばれる理由としては、手数料が安く、取引をサポートするアプリが使いやすいことが挙げられています。他には「SBI FXトレード」や「DMM FX」も多くの支持を得ており、それぞれ独自の強みを持っています。
FX取引を行う中で、特に人気のある通貨ペアは「USD/JPY(米ドル/日本円)」で、93.7%の参加者が利用しています(図8)。この通貨ペアはスプレッドが狭く、市場情報も得やすいことから多くのトレーダーに支持されています。特に、初心者から上級者まで幅広い層で取引しやすいとされています。
トレードスタイルに関する調査では、「デイトレード」が49.2%で人気となりました(図9)。デイトレードは短時間での取引が特徴で、取引の時間的拘束が少ないため、多忙な投資家にも適していると言われています。また、「スイングトレード」や「スキャルピング」のようなスタイルも一定数支持を集めていることがわかります。
FX取引で最も広く使用されているテクニカル指標は「移動平均線(MA)」で、66.7%の投資家から好まれています(図10)。移動平均線は初心者でも扱いやすく、トレンド分析に役立つため、特に支持を受けています。その他にも、ボリンジャーバンドやMACDなども一定の人気が見られますが、移動平均線ほどの支持は得ていません。
FXの自動売買ツール「ループイフダン」を使用したことがあるという人はわずか9.5%に留まりました(図11)。自動売買ツールは市場の変動に迅速に対応可能ですが、設定の理解が不足すると予期せぬ損失を引き起こす可能性があります。利用には慎重さが求められ、事前に情報収集を行うことが推奨されます。
今回のアンケートから、FXは多様な背景を持つ人々によって行われていることがわかりました。情報収集や知識習得の手段が多様化しており、会社員や主婦自営業者など、さまざまな職業の人々がFX取引を行っています。また、成功するための道筋はそれぞれ異なり、自己のリスク許容度やライフスタイルに応じた戦略の選択が重要です。今後も、FXに関連した新たなデータが増えていくことが期待されます。