環境省は2024年11月11日、次世代の教育を支えるために「2024年度環境教育・ESD実践動画100選」をWebサイトに公開しました。この取り組みは、子供たち(幼少期から高校生)に向けたSDGsや環境教育、ESD(持続可能な開発のための教育)の実践事例を集めたもので、学校教育部門と社会教育部門に分かれて、計36本の優れた動画が掲載されています。これらの動画は、環境問題に対する理解を深め、自らの行動を変えるきっかけとなることを目指しています。
持続可能な社会の実現には、子供たちが社会のさまざまな問題を自分の問題として受け止め、主体的に行動することが求められます。そのため、環境教育やESDの重要性が増す一方で、具体的な学びの場やリソースが必要です。環境省はこのニーズに応えるため、これまでの優良な実践事例を集め、広く社会に展開しています。今回選定された動画の中からは、学校教育部門での優れた事例として、兵庫県立明石北高等学校の科学探究部生物班による「特定外来生物クビアカツヤカミキリの分布拡大阻止に向けた取り組み」や、多摩市立多摩第二小学校の「ESDで見つけたみんなの笑顔の記録」があります。これらの動画は、地域や企業、専門機関との連携を通じて、具体的なアクションに結びつく学びを提供しています。社会教育部門では、環境カウンセラー千葉県協議会の「水環境体験教室」や愛媛県のタイチによる「第10回小池海岸藻場作り」など、地域の特性を生かした動画が選ばれています。これらの取り組みは、子供たちが自らの地域に対する理解を深め、環境問題に対して主体性を持って関わる手助けとなります。選定された動画は、環境省のWebサイトに掲載されるほか、公式YouTubeチャンネル「環境教育・ESD」でも視聴可能です。また、これらの動画は12月1日に開催されるESD推進ネットワーク全国フォーラム2024での認定書授与とともに広く発信され、より多くの人々に触れられることが期待されています。
このように、環境教育・ESD実践動画100選は、知識を深めるだけでなく、能動的に行動する力を育成するための強力なツールとなります。子供たちが持続可能な未来を築くためのきっかけとして、ぜひ多くの人々に活用されることを願っています。子供たちの未来を担う環境教育の重要性を認識し、今回の取り組みを広くサポートしていくことが、社会全体の責任であると言えるでしょう。
レポート/DXマガジン編集部海道