Criteoは2024年11月13日、世界1万4000人以上を対象に旅行計画や予約、消費者心理に関する調査を実施し、「Criteo グローバル トラベル トレンド 2024冬」として結果を発表しました。この調査では、APAC、EMEA、アメリカ地域のデータを分析し、旅行者の行動や旅行業界の動向を明らかにしました。特にAIが旅行計画や予約プロセスに及ぼす影響が注目される一方で、地域ごとに異なる特徴が浮き彫りになっています。
調査によれば、2024年第3四半期における航空券の予約は前年同期比でAPAC地域が14%増と最も高い伸びを記録しました。また、AIは旅行の計画や宿泊施設の選択において重要な役割を果たしており、世界全体で41%が旅行先選定、30%以上が宿泊施設やアクティビティの提案にAIを利用していると回答しました。しかし、日本ではこの活用率が9%にとどまり、他国に比べてAIの旅行計画への活用が遅れています。
モバイルデバイスを利用した旅行予約の割合も増加しており、APACおよびEMEA地域では4ポイント、アメリカでは2ポイント増加しました。さらに、旅行者の約4分の1が前年と比べて旅行費用を増加させており、コスト増加にも適応しながら旅行を楽しんでいることが示されています。
地域別では、アメリカ人と日本人は国内旅行を好む傾向が強く、国内旅行計画率がそれぞれ87%と97%に達しました。一方で、ドイツや英国の旅行者はヨーロッパ内での旅行を計画する割合が高く、韓国では43%がAPAC地域への海外旅行を予定しています。また、旅行者は計画に余裕を持たせる傾向があり、約20%が予約の一部を旅行中に決定すると答えています。
APAC地域では宿泊施設の予約に最も時間をかける傾向があり、平均で航空券の予約よりも1週間以上長く時間を要しています。このようなトレンドは、年末から新年にかけて旅行計画が活発化することとも関連しており、特に12月から顧客争奪戦が激化することが予想されています。
AIの役割については、英国やドイツ、韓国ではAIを利用した旅行計画が増加しており、旅行の利便性向上に大きな役割を果たしています。ただし、これらのトレンドは、企業間での競争激化や旅行者の注目を引きつけるためのマーケティング施策の必要性を浮き彫りにしており、旅行業界は今後もイノベーションと技術を活用した競争が続く見通しです。
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執筆:DXマガジン編集部