不確実性が高まる現代に求められる、最新サプライチェーンの動向を知りたい企業経営者、サプライチェーン担当者に向く内容です。
本書では日本におけるサプライチェーンマネジメントの変遷を整理しています。加えて特徴となるのが「SCM5.0」と呼ぶ、現在のサプライチェーンマネジメントを定義し、その要件を考察している点です。
近年は半導体不足、新型コロナウイルス感染症拡大、ロシア・ウクライナ問題などにより、グローバルのサプライチェーンを巡る状況は一変しています。さらに、モノが期待通り入手しにくい、価格が高騰しているという問題が頻出しています。一方で、カーボンニュートラルやESG経営など、これまでとは異なる観点での企業評価が進んでいます。こうした状況に求められるSCMを「SCM5.0」とし、これまでのSCMと違って何を考えるべきか、どんな機能を備えるべきかなどを解説しています。
具体的には、急激かつ動的に変化するサプライチェーンを取り巻く環境で、素早く状況をとらえ、対策を取ることを可能にする、レジリエンス(強靭性)とサステナビリティー(持続可能性)を併せもったSCMが必要だと、著者であるクニエは指摘しています。
そこで本書では、新時代のSCM構築に向けて、企業がどのような手を打つべきなのか、備えるべき新しいマネジメント機能や、経営、デジタル、組織・人材観点の施策など多角的に解説しています。さらに、新しいSCMをすでに具現化するSCMリーディングカンパニーとして、旭化成、オムロンヘルスケア、コニカミノルタの事例にも触れています。