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コラム

中間管理職は良き上司より良き部下を目指せ! 自ら挑戦する姿勢が指導には不可欠

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 上司と部下の間に立って組織をコントロールする中間管理職。今春から課長や係長に昇進し、中間管理職として新たな職務にあたる人も多いでしょう。しかし、上司であり部下でもあるポジションをどう全うするか、さらには部下をどう指導するかに悩む人は決して少なくありません。
 課長や係長に昇進したばかりの人は何に気を付けるべきか。大切なのは、これまで同様に「良い部下」であり続けることです。自分の上司である部長などの上位管理職層に対し、部下として成果を上げることに目を向けるべきです。
 中間管理職を見ると、良い上司を目指そうとする人が目立ちます。しかし、自分が追い求める“理想の上司”は、本当に周囲が望む姿でしょうか。本当に実現可能でしょうか。上司としての経験がない人は、「こうあるべきだ」という理想が先行しがちです。実際は理想と現実のギャップに苛まれ、十分なパフォーマンスを発揮できず苦しむケースが少なくないのです。
 自分はなぜ、課長や係長に昇進できたのか。この答えと向き合うことを忘れてはなりません。そこにはきっと何らかの挑戦をし、上司の期待に応え続けた行動があったはず。部下として成果を上げ続けた努力があったはずです。中間管理職になっても同じです。上位管理職層の期待に応え続けること。この姿勢はこれまでと変わりません。上司の理想を描くより、まずは自分がこれまで評価されてきたことを振り返り、今後もそこに目を向け励むべきです。
 こうした「部下」としての挑戦の姿勢を、自分の部下に示します。これが何よりの指導となります。多くの中間管理職が、自分の経験談を部下に伝えることが指導と思い込んでいます。決して間違いではありませんが、「良い部下像」を自らの行動で体現する方が効果的です。上司は何を求め、何を危惧しているのかを常に探り、その期待にどう応えるか。身を持って行動で示すべきです。部下は必ず、その姿を見ています。さらにそこから多くのことを学んでいます。挑戦し評価され昇進した中間管理職だからこそ、「良い部下」の見本となるのです。体現することを部下に示し、自社の文化を育めるようにすることも中間管理職の果たす役割なのです。
 やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ。
 これは、連合艦隊司令長官の山本五十六が残した名言です。部下育成の勘所が詰まった言葉で、部下の指導に悩む中間管理職こそこの言葉を倣うべきです。「やってみせ」とは、まず自分自身が部下の手本となるように挑戦をすることを意味します。「言って聞かせて」は、その挑戦を論理的に分かりやすく説明することを意味します。「させてみて」は、部下に挑戦の機会を与えることを意味します。そして最後の「ほめてやらねば」は、結果ではなく挑戦を誉めることを意味します。部下を成長させるには、この言葉のどの要素が欠けてもなりません。どの要素が偏ってもなりません。
 中間管理職は自ら挑戦を続ける良い部下を体現するとともに、これらの要素にバランスよく取り組むべきです。部下はきっと成長するでしょうし、自分自身も中間管理職として成長するでしょう。まずは冒頭の「やってみせ」から取り組み、「させてみせ」へと徐々に部下に引き継ぐようにします。これができない中間管理職のもとでは「良い部下」は育ちません。それだけの覚悟を持って取り組むべきです。
筆者プロフィール

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任
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