MENU

ワークライフバランスを貫くほど自分を追い込む、仕事と生活の望ましい関係とは?

  • URLをコピーしました!

仕事と生活の双方を充実させるワークライフバランスの考え方が根付きつつあります。しかし、生活を優先するあまり、仕事を蔑ろにする人がいるのも事実です。両者の関係をどう捉え、どんな働き方が望まれるのか。「ワークライフバランス」という言葉の真意に迫ります。【週刊SUZUKI #40】

“仕事と生活の調和”を意味するワークライフバランス。働き方を見直す機運が高まる中、多くの企業が従業員のワークライフバランスに配慮した支援や施策を打ち出すようになっています。

しかし今の従業員の働き方を見ると、ワークライフバランスを盾にして仕事と真剣に向き合おうとしていないように感じます。終わらせなければならない仕事があるにもかかわらず、周囲に十分な引き継ぎもせずに早退する。大事な商談を控えているにもかかわらず、時間が足りないことを理由に不完全な提案資料を用意する。ワークライフバランスが浸透したのを機に、こんな中途半端で無責任な仕事をする人が増えた気がします。「“家庭の事情”という魔法の言葉さえ使えば仕事を途中で抜け出せる」。ワークライフバランスをこう都合よく解釈し、濫用している人が目立つのです。

一人ひとりに生活があり家庭があり、異なるライフステージがあります。こうしたプライベートを大事にすること自体、悪くありません。むしろ充実させるべきです。しかし、これらの生活は仕事があるから成り立っていることを自覚すべきです。中途半端な仕事を続ければ、生活にさえ影響を及ぼします。生活や家庭同様、仕事も人生の大事な一部です。プライベート優先の偏った働き方ではなく、真剣かつ全力を出し切る働き方にも目を向けなければ豊かな人生を送れません。

「仕事は仕事、家庭は家庭」というワークライフバランスの考え方は必ずしも適切ではありません。両者を切り分けようと考え、行動すればするほど自分を追い込みます。無理がたたってどちらも中途半端になりかねません。まずは、強い責任感と覚悟を持って仕事に取り組むことが大前提です。ワークライフバランスという言葉に引きずられることなく、仕事とどう向き合うべきか、どんな姿勢で臨むべきかを考えるべきです。この答えに向かって突き進まない限り、生活との調和なんてありえません。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 株式会社デジタルシフトウェーブ

メルマガ登録

メールアドレス (必須)

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる