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自分より相手の立場を優先して仕事に取り組め!

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仕事に取り組む人の中には「自分は」「私は」と“自分本位”になりがちな人が少なくありません。しかし、これは正しい姿とは必ずしも言えません。仕事では、自分を後回しにしてでも相手の立場を優先することが大切です。なぜ自分より相手なのか。論語の「五徳」の1つである「義」から、相手を重んじる大切さについて考えます。【週刊SUZUKI #56】

人として正しい振る舞いや望ましい考え方を表す「五徳」。その1つが、正義や大義を意味する「義」です。

仕事に取り組むとき、「義」の教えと向き合うことが大切です。「恩義」や「義理」などの言葉に使われる「義」には、人として取るべき正しい道という意味が込められています。つまり、仕事に実直に取り組むには、人として正しい判断や行動を伴うことが前提となります。人としてどうあるべきか、どう行動すべきかを常に考え、行動することが仕事では求められるのです。

義を重んじる上で何より大切なのは、「己を捨て世のため人のために」という考え方です。つまり、相手の立場になって仕事を進める姿勢や考え方を大切にします。顧客や取引先は何を望んでいるのか、上司や先輩は何を求めているのかといった具合に、相手の立場を最優先します。「自分の仕事が忙しくて」「私はこうあるべきだと思う」などのように、「自分」を主語とする仕事は、そもそもうまく進みません。相手への配慮が行き届かない仕事は、もはや仕事とは呼べません。

私は「義」の大切さを、小さいころに学びました。それはテレビ番組に登場する正義のヒーローです。「正義とは?」「友情とは?」「仲間とは?」。人として大切なこれらの問いに答えてくれたのが、正義のヒーローだったのです。今もテレビや映画を見ると、正義感のある人や義理堅い人、大義を持っている人に共感するし、強く惹かれます。自分もそうなりたい、と思いながら自身の行動を振り返っています。

最近は、昔に比べて「義」が軽んじられ、自分や特定の人だけの「利」が重んじられているように感じます。仕事は「大義」を持たなければ成り立ちません。人同士の関係が大切なことから、義理を通さなければ成り立ちません。「義」の教えが仕事の根底を支えているのです。

周囲の人のために行動してください。周囲の人のために生きてください。自分のことは後回しにしてください。こうした「義」の考え方が、あなたの人としての魅力を高めます。周囲からの信頼を集めます。ひいては、困ったときに手を差し伸べてくれる仲間が集まり、周囲への気遣いが自分に返ってくるのです。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任

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