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2023.05.11
【6/7開催】eスポーツが日本を救う~eスポーツから学ぶ、これからのビジネス~
ニュース
2021.12.06
トランスコスモス、聖マリアンナ医科大学、NTTドコモ、川崎市の4者コンソーシアムは2021年12月2日、5G(第5世代移動通信システム)を活用した救急医療の実証実験について発表しました。同実証実験は、川崎市の聖マリアンナ医科大学病院の救命救急センターにおいて2021年12月6日から開始します。ドコモの5Gサービスを活用した遠隔映像の共有や、AIでの器具の位置判定などができるようにします。この実証は、総務省が公募した「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に採択され、実施するものです。
実証テーマ | 実証項目 | 主な使用機材・技術 | |
(1) | 360度カメラなどによる俯瞰的な映像共有と、スマートグラスを利用した医師の手元映像共有 | 救急外来での処置の状況を遠隔から把握し、的確な情報共有が可能かを確認 | ・5Gネットワーク
・360度カメラ
・スマートグラス
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(2) | 院内をストレッチャーで移動する患者の映像共有 | 患者搬送時の状況をリアルタイムで把握することが可能かを確認 | ・5Gネットワーク
・Webカメラ
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(3) | 遠隔CT画像の共有 | CT画面を4Kで撮影し、医師のタブレットへ送信することで、診断を行うことが可能かを確認 | ・5Gネットワーク
・4Kリアルタイム
・映像伝送システム
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(4) | 大容量X線動画データの転送 | 高精細なX線動画データをリアルタイムに専用PCへ送信することで、診断を行うことが可能かを確認 | ・5Gネットワーク |
(5) | 気管内チューブなど位置のAI判定 | 4Kカメラで撮影したX線画面をクラウド上にアップロードし、タブレットでAIによる解析結果を閲覧することが可能かを確認 | ・5Gネットワーク
・クラウド
・AI
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現状 | 重症外傷患者の受け入れ時や多数の傷病者発生時には、多くの医師やスタッフが招集されるため、すぐには患者を診ることができない医師が多く、運用には改善の余地があります。 |
実証詳細 | 「重症外傷患者の救急外来処置の遠隔観察・把握」と、「多数の傷病者発生時における複数患者の診察状況の遠隔観察・把握」の2場面を想定して実験を行います。以下の情報について映像を通して共有します。 ・スマートグラスによる治療医師の手技や患部の様子
・360度カメラなどによるバイタルモニター
・患者からの申し立て・これまでの経過などを記載したホワイトボード
・対応しているスタッフ など
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期待される効果 | ・遠隔にいる医師は、現場にいなくても患者の様子が分かるため、必要なタイミングで現場へ出向けるようになります。それにより、現場滞在時間の減少、現場に集まる医師数の削減が見込めます。
・より多くの医師、医療スタッフが現場の情報を共有できるようになります。現場と指令室と搬送先(手術室、検査室)とのリアルタイムな情報共有が可能となります。そのことで、患者ごとの重症度や、必要とされる処置に合わせた治療法、治療優先順位、治療・検査に向かうタイミングなどの最適化・効率化が図れます。
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現状 | 救急患者のストレッチャーでの移動時に、容体の急変に備えて医師や看護師が複数名付き添うため、多くの人的稼働がかかっています。 |
実証詳細 | 院内をストレッチャーで移動する救急患者の映像を撮影します。それを、遠隔にいる医師のタブレットへ5Gを介してリアルタイムに映像を送ります。重症患者に多くある、ICUから血管撮影室への移動中など、医師が少ないエリアに移動しているときを想定し、移動中の患者の状況を遠隔からでも把握できるようにします。 |
期待される効果 | ・遠隔から医師がリアルタイムに状況を把握することで、医療行為を行えないスタッフを移動担当者に選定しても、緊急時にはすぐに医師が対応できるため、移動担当者の人数削減・精神的負担の軽減が可能になります。 |
現状 | 新型コロナウイルス肺炎などの罹患(りかん)の有無や、外傷性変化はすぐに判定しなければなりません。それにもかかわらず、画像の生成と、専用の画像配信システムへの転送には時間が長くかかることから、迅速な診断が行えません。また、専用の画像配信システムで診断する必要があるため、医師の診断室への移動時間や、診断室での待ち時間が発生しています。 |
実証詳細 | CT撮影後にモニターに表示されるCT画像を4Kカメラで撮影共有します。そして画像診断医がタブレットを介して、リアルタイムにその画像を確認します。5Gでの高精細なリアルタイム映像共有により、画像閲覧システムへの配信を待たずに画像をもとに診断を行えるようにします。 |
期待される効果 | ・CT画像のリアルタイムな映像共有によって、医師の移動時間および待ち時間の軽減、画像診断の迅速化による業務効率化が見込めます。
・複数医師の同時関与による診断の質の向上を実現します。
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現状 | X線動画データの転送には、ICUなどの患者の元でX線動画を撮影し、そこから離れた場所にある画像生成を専用に行うサーバー端末まで赴きデータ転送作業を実施する必要があります。そのため、撮影から画像診断までに1時間以上を要しています。 |
実証詳細 | 5Gの特性を生かし、これまで困難であった大容量動画データの無線伝送ができるかを検証します。 |
期待される効果 | ・将来、医療機器のモビリティ化が進んだ際に、大容量動画データの無線伝送ができることで場所を問わずリアルタイムな画像情報(X線動態画像)の解析が可能になります。
・それにより患者の移動が不要となり、患者の院内移動による負担、医療スタッフの患者移動にかかる稼働の削減が見込めます。
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